日大に厳しい判断 真に改革する姿勢を示せ

主張
日本大学本部=5月29日午前、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)

 選手の悪質タックルにより今年度の公式戦出場が禁じられた日本大アメリカンフットボール部に対し、関東学生連盟は再発防止策などの「実効性が不十分」として、処分解除を見送った。

 日大の選手たちには気の毒な結果だが、再起に向けた大学側の姿勢に不信感が拭えぬ以上、当然の結論である。

 日大は「連盟からのご指摘を真摯(しんし)に受け止め、部の改革に尽力をして参りたい」とのコメントを出したのみで、総責任者の田中英寿理事長は批判の矢面に立とうとしていない。公の場に一切現れず、反省や信用回復への思いすら語っていないのは、トップの姿勢として異常である。

 学連の検証委員会は、日大アメフット部が示した再発防止策について、「本当に改革・改善に取り組む強い意志を有しているのかどうかは未知数」と疑念を示した。田中理事長が改革への意欲を打ち出していれば「検証の結論は異なっていたかもしれない」とも指摘している。学内で最も影響力を持つ田中理事長の責任回避の姿勢が、チーム再建の足を引っ張っているのは明らかだ。

 日大の第三者委員会による調査では、井ノ口忠男前理事が選手に対し、内田正人前監督らによる反則の指示がなかったと証言するよう求め、断れば「日大が総力を挙げて潰しにいく」と恫喝(どうかつ)していたという。側近のこうした言動について、「日大の総力」のトップである田中理事長には明確な発言を求めなくてはならない。

 一面で被害者でもある現役選手たちが、出場機会を奪われた悔しさは理解できる。しかし、検証委は「学生たちが事態と責任の重大性の認識に至っているかどうか、残念ながら見えてきていない」とも指摘した。

 選手の大半は、内田前監督らによる反則の指示があったことを事前に認識していた。

 悪質なタックルは加害選手だけの責任ではない。アメフット部の選手一人一人が加害の当事者として心から反省し、自主的に再建に取り組まなければ、同じ悲劇を繰り返すだろう。処分期間の中で罪の重さをかみしめ、再起の一歩を踏み出さなければならない。

 ファンは待っている。スポーツ界の信用を取り戻すためにも、真に生まれ変わった日大フェニックスの姿を見せてほしい。