【主張】文科汚職拡大 不正生む土壌を根絶せよ - 産経ニュース

【主張】文科汚職拡大 不正生む土壌を根絶せよ

 教育や科学行政は国の将来を左右する。賄賂で転ぶ組織には託すことができない。
 文部科学省の汚職事件が広がり、局長級幹部がまた逮捕された。省そのものに不正を生む土壌があるのではないか。これを根絶すべく、徹底解明と検証を求めたい。
 文科省国際統括官だった川端和明容疑者が東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された。
 旧科学技術庁入りし、文科省総務課長などを歴任したエースだという。宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事に出向中の平成27年8月から昨年3月にかけ、会社役員から飲食店などで約140万円相当の接待を受けた疑いがある。この会社役員は医療コンサルタントとして、私立大学支援事業をめぐる汚職事件では東京医科大との仲介役だった。
 川端容疑者には、会社役員から頼まれ、東京医科大で開かれた式典への宇宙飛行士の派遣を斡旋(あっせん)していた疑いがもたれている。便宜供与などについてさらに詳しく解明してもらいたい。
 宇宙科学は、無重力を利用した最先端の実験・研究などに多額の予算が投じられるとともに、夢を語る分野でもある。
 接待などでゆがめられることがあってはならない。
 文科省では昨年、大学などへの組織的な天下り斡旋問題が発覚したばかりだ。官民の癒着を避けるための再就職のルールを破り、「裏口」を設け、かいくぐっていた。これも大がかりな「たかり」の構図である。
 当時の前川喜平事務次官が引責辞任し、40人以上が処分を受けたが、反省と検証がなされたとは言い難い。天下り斡旋問題の綱紀粛正の途中で今回の汚職も行われていたことになる。不正の土壌は、構図の中核として引責した人物が「面従腹背」を看板に大手を振る異様さと無縁とはいえまい。
 教育、科学、文化やスポーツにわたり、許認可権や補助金を持つ文科省には、その権限を期待してすり寄る民間業者らは多い。
 先に受託収賄罪で起訴された前局長の佐野太被告とともに法令順守を徹底すべき立場の2人が民間にたかっていたことになる。常態化を疑われても仕方あるまい。
 こうした事態には「組織の箍(たが)を締め直せ」というのが常套(じょうとう)句だが、文科省は「箍」自体を失っているのではないか。