【主張】台風12号 厳重な備えと早期避難を - 産経ニュース

【主張】台風12号 厳重な備えと早期避難を

 日本の南の太平洋上で発生した台風12号は発達しながら北上し、週末の28日から29日にかけて関東甲信地方に上陸する可能性が高い。
 花火大会や夏祭りなど各地でイベントが予定されている。海や山でのレジャーを計画している人も多いだろう。
 台風の進路を見極めたい意識が働くだろうが、早めに中止を決断すべきである。
 台風は大雨、暴風、高潮をもたらし、雷や竜巻を伴うこともある複合的な自然災害だ。台風12号の影響で、豪雨の被災地を含む西日本から北日本までの広い範囲で天候が荒れる可能性がある。
 命を守るために最も重要なことは「早めの避難」である。住民と自治体が連携し、災害弱者の視点で安全確保行動の徹底を図ってもらいたい。災害に対しては、大袈裟(おおげさ)に思えるくらいの厳重な備えを心がけるべきである。
 気象庁によると、台風12号は27日に小笠原諸島に接近し、28日には強い勢力を保ったまま伊豆諸島付近から北西方向に、関東甲信、東海、北陸地方にかけて、本州を直撃するコースを進むと予想されている。
 日本列島に接近、上陸する台風が北西寄りの進路をとるのは極めて珍しい。
 水温の高い海上で発達した台風が衰えないまま首都圏を襲う恐れがある。1年間で最も潮位が高い時期が重なる。暴風雨と高潮に対してぬかりない警戒が必要だ。
 12号の列島上陸は、28日夜ごろと予想される。西日本豪雨では多くの地域で、特別警報が発表されてからでは安全な避難行動が困難な状況になっていた。これを教訓としなければならない。
 土砂災害や河川の氾濫、高潮による浸水のリスクが高い地域では、風雨が強まる前に避難することが大前提である。
 商業地域や住宅街では、看板などの屋外構造物の暴風対策も不可欠だ。撤去や固定など可能な限りの対策を早めに実施したい。
 停電や断水を想定し、水、食料、日用品、懐中電灯、ラジオなどの備蓄、準備も欠かせない。
 九州や四国と比べると、首都圏をはじめとする東日本は、人も街も台風の直撃に慣れていない。
 想像を超えるスピードと威力で災害は襲ってくる。その認識を心に強く刻んで、台風への備えに万全を期したい。