【主張】災害ごみ 広域連携し早急な処理を - 産経ニュース

【主張】災害ごみ 広域連携し早急な処理を

 西日本豪雨の被災地では、膨大な量の災害ごみが問題になっている。
 被災自治体では処理能力を超えている。国の主導で自治体が広域連携し、一日も早く処理を急がなければならない。
 広範囲の浸水に見舞われた岡山県倉敷市真備町では、大量の災害ごみが中学の校庭などに運び込まれ、道路沿いにも積まれた。
 倉敷市が作っていた災害廃棄物処理計画では、南海トラフ地震発生時でも真備地区のごみの量は1・9万トンだった。しかし今回の豪雨では、7万~10万トンに達すると推計されている。
 ほかにも広島県三原市など、豪雨で大量の災害ごみが出た自治体は多い。
 この猛暑である。泥水に漬かった家具やがれきは乾いて土ぼこりを上げ、腐敗した生ごみなどは悪臭を放ちもする。
 ほこりには細菌やウイルスが混じっている可能性が指摘されており、被災地の衛生状態を悪くしている。
 真備町では結膜炎の症状を訴える人が多い。ほこりが原因になっている可能性がある。
 ごみから火災が発生する恐れも拭えない。
 環境省が調整役になって広域処理を行うことになっている。動きを加速させなければならない。被災地以外の自治体などを仲介して、被害が大きかった地域の負担を減らしてほしい。
 政府は大雨被害を激甚災害に指定することを閣議決定した。復旧事業への国の補助率が引き上げられる。国を挙げ、スピード感を持って復旧に臨まねばならない。
 東日本大震災でも、膨大なごみを都府県をまたいで広域処理することが必要になった。今回は猛暑下で被災者の健康への影響が懸念されているだけに、取り組みを急ぐ必要がある。
 ほこりが多い所では、暑くてもマスクやゴーグルは体を守るために必要だ。それを踏まえた熱中症対策も十分に心掛けたい。
 災害廃棄物処理計画に関する課題も浮かび上がった。
 災害ごみの処理方針を定めた計画を作っていた市区町村は、昨年3月時点で、24%にとどまっていた。豪雨の被災地でも作っていなかった自治体があり、初動の遅れにつながった。
 日頃の備えの大切さを再確認したい。