【主張】IR法成立 不安払拭し地域に貢献を - 産経ニュース

【主張】IR法成立 不安払拭し地域に貢献を

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法が参院本会議で可決、成立した。
 既に北海道、和歌山、大阪、長崎の4道府県などが誘致を検討し、世界の事業者が関心を示している。3カ所を上限に国が整備区域を選ぶ。
 賛否が分かれる中でのカジノ解禁である。国や自治体、事業者は国民の不安を払拭するとともに、真に地域経済に貢献するような施設にすべく努めなければならない。
 多くの不安材料が挙げられている。ギャンブル依存症に陥る人が出ないか。反社会的勢力が介入しないか。不正な金の洗浄に使われないか。
 もっともな声である。これらの懸念を拭わなければならない。
 実施法は依存症対策として、日本人から6千円のカジノ入場料を徴収し、入場回数も週3回までとするなど制限を設けている。実施法に先立って、ギャンブル依存症対策基本法も成立した。
 依存症対策だけでなく、防犯や周辺地域の治安も含めた万全の対策が立てられなければならないことは、言うまでもない。
 一方で、IRが民間資本を活用しつつ、地域に経済効果をもたらすことへの期待がある。
 IRはカジノだけでなく、国際会議場やホテル、ショッピングモールなどを一体的に整備する集客施設である。大阪市に誘致が実現した場合、年間の経済効果は6900億円になり、8万人以上の雇用が生まれるとの試算もある。
 ただ、自治体が必要以上の税金を投じるのは本末転倒だ。
 賭博を経済政策にすべきではないという意見も根強い。
 カジノだけを取り上げるのではなく、巨大な集客施設として地域振興に寄与するという視点でIRを考えたい。
 人口が減り少子高齢化が進む日本では、観光が成長戦略の大きな柱となってきた。近年の外国人観光客の増加は成功例といえる。IRは外国人をさらに日本に呼び込む有効な施設となる。
 そのためにも、カジノのマイナス点に十分な注意を払いつつ、IR全体の魅力を高めるような議論が必要だ。誘致先がどこになるにせよ、その地域らしさをいかにアピールするか。その土地の観光や産業振興につなげていくか。大局的な視点でIRを経済活性化に生かす方法を考えたい。