指導者の力負けにアメリカ人記者からも悲鳴が… 

ポトマック通信
16日、フィンランド・ヘルシンキでの共同記者会見の最後に握手するドナルド・トランプ米大統領(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(AP)

 プーチン露大統領の遅刻癖からして首脳会談後の共同記者会見は大幅にずれ込むとみて、ヘルシンキの会見会場近くに設置された記者室で中継を見ることにした。本当は就任18カ月のトランプ大統領が、指導的地位に18年いるプーチン氏とどうわたり合うかを目撃したかったが、判断は正解だった。締め切り間際に両首脳の発言を聞き、同時に東京のデスクと調整して原稿を書く作業はとても会見場ではできなかった。

 記者室では、大きなスクリーンに映し出されたトランプ氏がロシア疑惑で自国の情報機関よりプーチン氏の肩を持つような発言をするたびにため息のような「オー…」という声が出た。自国の指導者がプーチン氏に力負けしていることへの悲鳴に聞こえた。

 オバマ前大統領のスピーチライターだったローズ元副補佐官は最近出版した回顧録で、任期の8年近く批判材料とされたオバマ氏の一言を挙げた。就任間もなく「私は米国の例外主義を信じているが、英国人もギリシャ人も自国の例外主義を信じているのではないか」と述べたことで、オバマ氏は米国の優越性を信じていないと批判された。

 プーチン氏の隣で見せたトランプ氏の「弱さ」は野党の批判材料となり、11月の中間選挙や大統領再選戦略にも影響を与えるだろう。(加納宏幸)