【産経抄】7月19日 - 産経ニュース

【産経抄】7月19日

 「選挙介入したのはロシアではない理由が見当たらないと言おうとして、言い間違えた」。トランプ米大統領は17日、ホワイトハウスで苦しい釈明を迫られていた。
 ▼2016年の米大統領選について、米情報機関はロシアのサイバー攻撃による干渉があったと断定している。特別検察官は、ロシア軍の情報当局者12人を起訴した。もっとも前日に行われた米露首脳会談後の会見で、プーチン大統領は「干渉は一切やっていない」と言い張った。
 ▼「ロシアが干渉する理由は見当たらない」。トランプ氏の発言は、自国の情報機関が下した結論を否定し、プーチン氏の肩を持つものだった。当然、米国内から批判が噴出していた。「綸言(りんげん)汗の如(ごと)し」。皇帝が一旦発した言葉は、汗が再び体に戻らないように取り消すことはできない。トランプ氏は中国の格言には興味はないだろうが。
 ▼ただロシアのサイバー攻撃に果たして、トランプ大統領誕生を後押しする力があったのか、依然謎である。たとえば、約10年前に英ケンブリッジ大学の大学院生が取り組んでいた心理学の研究を活用すれば、可能らしい。
 ▼大学院生は、インターネットの交流サイト、フェイスブックの利用者が「いいね!」ボタンを押すパターンを分析していた。するとチョコレート菓子の好みなどから、利用者の支持政党が判定できた。つまり、データを逆に使えば、効率よく特定の候補に誘導する情報を送ることができる。
 ▼毎日新聞の福本容子記者のコラムでこの技術を知った。福本記者は憲法改正の国民投票で利用される「空想話」を披露している。小欄は別の空想をする。憲法改正と日米同盟の強化を阻止したいどこかの国が、総選挙の最中にサイバー攻撃を仕掛けてきて…。