石油業界の再編 安定調達に資する統合を

主張

 石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油が来年4月に経営統合することが決まった。統合に反対していた出光大株主の創業家が賛成に転じ、長く続いた経営陣との対立が解消した。

 石油業界は最大手のJXTGグループと出光・昭シェルの新会社の2グループに集約される。国内のガソリン需要はハイブリッド車の伸びなどを背景に減少傾向が続いている。新会社は経営効率化を進めて生き残りを目指す。

 石油会社が日本市場にとどまっていては縮小均衡に陥る恐れがある。海外の石油権益の取得に動くなど、世界市場の開拓が欠かせない。積極的な資源確保を通じ、海外からのエネルギー輸入に依存する日本の国益の追求に結びつけてほしい。

 臨時株主総会を12月に開いて統合の承認を受け、出光が昭シェルの発行済み全株式を株式交換で取得する。新会社の社名は「出光興産」、給油所などのブランド名は「出光昭和シェル」となる。

 両社は約3年前に統合で合意したが、出光創業家が外資系との統合に反対し、交渉は暗礁に乗り上げていた。

 ここに来て創業家から新会社への役員登用で合意し、ようやく再編が実現する。新会社は遅れを取り戻すべく、経営の効率化を早急に進めなくてはならない。

 両社が全国で7カ所に保有する製油所の再編なども検討すべきだ。これまでも石油業界では過剰な精製設備の廃棄などに取り組んできたが、今回の経営統合を通じて製油所の一体運営を進めて収益力を向上させてほしい。給油所の統廃合も避けられまい。

 新会社に求められるのは、経営基盤を強化して日本のエネルギー安定供給に寄与することである。日本のガソリン販売はこの10年で1割以上も減少している。

 従来のようにガソリン販売に依存する事業形態では、将来の生き残りは難しい。

 とくに昭和シェルには、日本の原油最大調達先のサウジアラビアの国営石油会社が15%出資している。そうした産油国との関係をさらに緊密化することで、原油の安定調達力を高めてほしい。

 アジアでは、旺盛な石油需要を背景にして新たな製油所の建設が相次いでいる。内外の石油化学会社と連携し、そうした成長分野への投資にも取り組むべきだ。