【主張】中国海警の軍編入 「尖閣の守り」一層固めよ - 産経ニュース

【主張】中国海警の軍編入 「尖閣の守り」一層固めよ

 尖閣諸島(沖縄県)の守りを、一層、固めなくてはならない。
 中国の海上警備を担当してきた中国海警局(海警)が今月から、軍の指揮下に入った。
 海警の行動が軍事作戦と区別しにくくなった。中国海空軍や海上民兵と一体的に動く余地が広がる。尖閣などへの軍事的圧力は増大し、日本に対する影響は大きいと考えるべきだ。
 これまで海警は国務院(政府)国家海洋局の傘下にあり、公安省(警察)の指導も受けていた。それが国務院と切り離され軍の最高指導機関「中央軍事委員会」直属の武装警察部隊に編入された。
 中国政府は軍の傘下に入っても海警の任務内容は変わらないとしているが、真に受けては危ない。単なる編成替えとみて油断してはならない。
 白地に青いラインが塗られた海警の公船は、海上保安庁の巡視船と見まごうばかりである。だが、その役割は海保とは異なる。
 中国は尖閣を奪おうとしていることを忘れてはならない。公船が尖閣周辺の日本の領海への侵入を繰り返し、接続水域を頻繁に航行するのは、その一環である。
 政府は、海警には海保が対応し、中国海空軍には自衛隊が備える態勢をとってきた。この役割分担は当面継続される方針だが、警戒を強める必要がある。
 軍主導で海警がより強硬な行動に乗り出す恐れがある。尖閣の島々を占拠しようとする場合には、中央軍事委員会の統一指揮の下、軍、海警、海上民兵が作戦を展開してくるはずだ。
 尖閣海域では昭和53年4月に、機銃を装備した中国の武装漁船100隻以上が現れ、領海に侵入した。平成28年8月には、公船13隻とともに300隻の中国漁船が押し寄せ、一部が領海侵入した。
 漁船には100人以上の海上民兵が乗っていた。中国海軍は28年6月にはフリゲート艦を、今年は2度にわたって潜水艦など3隻を尖閣の接続水域に侵入させた。あからさまな挑発である。
 日本はグレーゾーン事態、有事のどちらであっても、固有の領土である尖閣を守り抜く意志を鮮明にし、対応策を講じていかねばならない。
 海保や後詰めに当たる海空自衛隊の強化はもちろん、陸上自衛隊を含む島の有人化など、防衛態勢の見直しが急務だろう。