危機が続く被災地 二次被害への備え怠るな

主張

 西日本豪雨の被災地では、ため池の堤で亀裂が見つかるなど、なお危険な状況が続いている。

 水不足も依然深刻である。猛暑が続くことが予想され、熱中症になる恐れも強い。

 自宅を片付ける人も、連休を利用して被災地へボランティアに行く人も多いだろう。二次被害にあわないよう、安全と体調管理にくれぐれも注意してほしい。

 広島県では各地のため池で堤の亀裂や水漏れが見つかった。

 雨で堤がゆるんだ可能性もある。雨が降っていなくても決壊すれば土石流となる恐れもあり、警戒が必要だ。

 山や川でも危険が残っている。京都府福知山市では崩れた土砂が川をふさぎ、「天然ダム」ができた。このような「ダム」が小規模なものも含め各地にできている可能性が指摘されている。これも決壊すれば突然、被害をもたらしかねない。

 広島県府中町では10日、住宅地を流れる川が氾濫し、避難指示が出された。雨が降っていないにもかかわらず、である。上流で土石流が発生し、流されてきた木が橋でせき止められて川をあふれさせたとみられる。

 豪雨がもたらした危険は、まだ各所に潜んでいるかもしれない。夏の天候は変わりやすく、天気予報が晴れでも、局所的にゲリラ豪雨になることもある。警戒を怠ってはなるまい。

 まず、自分がいる地域が危険に見舞われる恐れがないか、冷静に確かめたい。自治体から避難の勧告や指示があれば、いち早く行動することが肝心だ。

 連休中、中国・四国地方では最高気温が35度前後の予報が続くが、多くの家庭でなお断水した状態にある。政府や自治体は水の供給に全力をあげるべきだ。

 熱中症は軽視できない。炎天下で片付けなどの作業に当たる際はもちろん、屋内でも発症する恐れがある。家の片付けや避難所生活でも、体を冷やし、水分や塩分をこまめに取ることが大切だ。

 水不足や高い気温は、被災地の衛生状態をどうしても悪化させてしまう。食中毒や感染症にも気をつけたい。

 豪雨禍に見舞われた地域は広い。交通が断たれて孤立し、水や物資が十分に行き渡っていない地域もあろう。必要な援助はためらわず訴えてほしい。