【主張】日産のデータ不正 トップに反省はあるのか - 産経ニュース

【主張】日産のデータ不正 トップに反省はあるのか

 日産自動車の完成検査で新たな不正が明らかになった。出荷前の新車に対する燃費や排ガスの測定試験で、データを書き換えるなどの改竄(かいざん)が繰り返されていた。
 同社では昨年秋、無資格の従業員が完成車を検査していた不祥事が判明したばかりである。これを受けて法令順守の徹底や再発防止を誓ったのに、つい最近まで別の不正を続けていたのである。
 企業統治など、なきに等しい異様な事態といえる。
 不正が発覚した対象車種の中には、今年上半期の販売台数が同社製小型車で48年ぶりの首位となった「ノート」も含まれる。消費者の信頼を裏切る不正が繰り返されるようでは、日産のブランドイメージの失墜は必至だろう。
 不正を根絶するため、経営陣から製造現場まで、社内全体で意識改革を徹底すべきである。
 測定する際の条件を満たしていなくても試験を有効としたり、データを書き換えたりしていた。
 日産は1170台あまりの該当車両について、排ガスの保安基準は満たしており、リコール(回収・無償修理)の必要はないと説明している。だが、果たしてそれは本当なのか。
 日産の異常さが際立つのは、昨年の無資格検査を受けて再発防止策を全社的に進めていた最中だったにもかかわらず、それと同じ検査工程でデータ改竄などが先月まで行われていたことである。
 しかも、SUBARUによる燃費検査などの不正発覚後、改めて社内で点検したところ、同じような不正が判明したのだという。あきれるばかりであり、自浄能力がないと批判されても仕方ない。
 経営陣の姿勢にも首をかしげる。不正を発表したのは製品開発担当の役員であり、西川広人社長やカルロス・ゴーン会長は姿を見せなかった。これでは到底、企業としての説明責任を果たしたとはいえない。
 SUBARUは責任を取って最高経営責任者(CEO)が交代した。日産が本当に信頼の回復を図るというのなら、経営責任も併せて明確にすべきだろう。
 一方で、国の定めた完成検査を企業がここまでないがしろにしているのはなぜか。検査自体に問題はなかったのか。政府には、そのあり方を根本から再点検し、実効性を高める責任がある。