早い梅雨明け 予期せぬ影響に備えたい

主張

 驚くほど早い梅雨明けである。気象庁は、6月29日に関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると発表した。

 一方、西日本や北日本では豪雨や長雨の空模様で、列島の天気が分断された感がある。

 関東甲信で6月中に梅雨が明けるのは、統計を開始した昭和26年以降、初めてのことだ。

 首都圏は平年より1カ月近く早く猛暑にあぶられることになる。真夏を乗り切るための貯水量も心配だ。このまま梅雨が戻らなければ、今夏の首都機能は、厳しい試練にさらされよう。

 まずは、熱中症への警戒が欠かせない。高齢者などは生命にかかわることもある。予防には、水分と塩分の補給だけでなく、十分な睡眠と休養を心がけたい。

 炎天下の外出や運動を避けなければならないが、7月下旬まで学校は続く。学校側には児童・生徒を熱中症から守るための配慮が例年以上に必要だ。

 首都圏の水事情も気がかりだ。貯水池に雨水がたまらないまま晴天と炎暑が続けば飲料水、生活用水とも不足する。給水制限や断水は日常生活を脅かす。

 暑さは電力需要を押し上げる。首都圏に電力を安定供給してきた原発は、全基停止中である。

 電力消費量の急上昇に、太陽光や風力発電の再生可能エネルギーだけでは対応できない。

 設備に過剰な負荷がかかっている火力発電所が故障すれば、大規模停電も起こり得る。

 気候は近年、極端化して荒れ模様だ。昨夏は東日本で長雨が続き、日照不足が起きた。冬には豪雪に見舞われた。

 こうした気候変動や異常気象への備えの遅れと脆弱(ぜいじゃく)ぶりが問題だ。例えば、都市の気温が上昇するヒートアイランド現象への対策の遅れである。

 日本の総人口の過半数が都市に暮らし、熱中症の危険にさらされやすいにもかかわらず、積極的な取り組みは見られない。

 国が熱心なのは京都議定書やパリ協定での二酸化炭素に代表される温室効果ガスの排出削減だが、10年以上、膨大な費用を投じているのに気温は下がらない。

 効率的な二酸化炭素の排出減を目指すなら、政府は原発活用を図るべきだ。それにより異常な干天と猛暑でも電力不足は免れる。電気がないと水道水も送れない。