【主張】地方創生施策 人口減を前提に考え直せ - 産経ニュース

【主張】地方創生施策 人口減を前提に考え直せ

 政府が、東京一極集中是正に向けた当面の「まち・ひと・しごと創生基本方針」を改訂した。
 今後6年間で、Uターンなどの移住者を6万人増やし、地方に住む女性や高齢者ら24万人分の新規雇用を創出することなどが柱だ。
 第2次安倍晋三政権では、2020年に東京圏と地方との転出入を均衡させる目標を掲げたが、いまだに東京一極集中に歯止めはかからない。
 成果が上がらない要因を徹底分析し、政策の方向性自体を含めて修正すべきだ。現行の地方創生総合戦略に続く、2020年度からの次期5カ年計画にも踏み込んでいるが、修正を施さずに策定しても改善は望めない。
 これまでの地方創生は、現状の基礎自治体を前提とし、その存続を図ることを念頭に施策を展開してきた。地元企業への支援強化や地域開発計画へのサポートなど、古い発想に基づく地域経済活性化策も見られた。
 東京23区内にある大学などの学生定員の抑制、企業の本社機能の地方移転促進といった施策も展開してきた。これらの施策に全く効果がないわけではない。
 だが、自治体同士が過度な住民サービスにより住民を奪い合う「不毛な戦い」につながった側面もある。
 今後は、東京も含め日本全体で人口が減っていく。すべての地域や自治体を維持させていくことには無理がある。
 もはや、人口激減を前提として施策を展開するしかない。人口激減地区で暮らしが成り立つには、どうすべきか。それが無理な地域は「畳んでいく」ことも考えなければなるまい。
 「生き残れる地域」を一つでも増やす。それこそが地方創生の現実的な目標であるという認識を持つ必要がある。
 少人数で付加価値の高い製品や農産物をつくっている取り組みは、各地で見つかる。
 こうした企業や組織を政策的にバックアップしていくというのも一案だろう。高齢者らが集まり住むエリアを整えていくことも、重要な視点となる。
 地方は千差万別である。単純に応用範囲を広げる「ヨコ展開」ではなく、個々の実情に応じた戦略が求められている。梶山弘志地方創生担当相には、強いリーダーシップを発揮してもらいたい。