W杯日本代表 KOラウンドに期待する

主張

 サッカーのワールドカップ(W杯)で日本代表は決勝トーナメントに進出した。強豪揃(ぞろ)いの1次リーグで1勝1分け1敗は立派な成績である。

 最終のポーランド戦では他会場の試合経過をみながら、したたかに「負け方」を選んで勝ち点、得失点差などで2位に並び、フェアプレーポイントの差で勝ち進んだ。

 警告数の少なさが決勝トーナメントへ歩を進めさせたのは、いかにも日本らしかったといえる。

 ポーランド戦終盤に自陣でパスを回し続けた戦術に批判があるが、これも激戦を勝ち抜くための選択肢である。まず、こうした戦い方を可能にした1、2戦の結果を称賛すべきだろう。

 日本代表は大会直前にハリルホジッチ前監督が解任され、西野朗監督が後任を任された。与えられた時間が少ないなか、西野監督はチームを掌握し、選手らは各自の役割を全うしようとしている。

 そうした速成を支えているのは個々の選手の経験値だろう。

 日本は1次リーグの1、2戦を同じ先発メンバーで戦い、11人中10人が欧州のクラブに所属する選手だった。

 6人の先発を代えたポーランド戦でも9人が欧州組であり、Jリーガーの槙野智章、山口蛍の2人も欧州リーグを経験している。途中交代で入った3人も欧州クラブの選手だった。

 産経新聞は2014年の正月、「2020年 111人の予想図」と題して各界のトップにアンケートを行った。この中で日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏は「フル代表は全員が海外のトップクラブで活躍している」と答えている。当時の初夢は、時を前倒しして理想に近づいている。

 日本が初めてW杯に出場した20年前のフランス大会では、代表選手の中に欧州クラブ所属の選手は一人もいなかった。それが今や、多くの代表選手にとって各国のエースらは日常の対戦相手であり、同僚である。20年の進歩を支えたのは、こうした若い選手らの海外への雄飛である。

 ただしW杯の決勝トーナメント進出は02年、10年大会に次いで3度目である。引き分けのない、ノックアウト(KO)ラウンドのここからが、本当のW杯ともいわれる。次戦の相手は優勝候補のベルギーだ。16強の壁を破り、新たな地平を開いてほしい。