はやぶさ2の探査 感動の発見が待っている

主張

 地球を出発してから3年半、32億キロに及ぶ旅程を踏破した。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の科学探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星「リュウグウ」の上空20キロの定位置に到着した。

 過酷な長旅にもかかわらず故障もしていない。先代機の「はやぶさ」で学んだ教訓を反映しての見事な宇宙航行だ。

 これから、リュウグウに関するさまざまな観測が始まる。どんな新発見があるか楽しみだ。

 小惑星には、46億年前に太陽系が誕生したころの状態が保存されている。C型小惑星に分類されるリュウグウには、有機物と水の存在が見込まれる。

 今秋から来春にかけて、はやぶさ2は計3回、地表にタッチダウンして地質標本を採取する。

 2年後に、はやぶさ2が地球に持ち帰るリュウグウの試料からは、太陽系の生い立ちや、地球の生命の起源の解明につながる鍵が見つかる可能性がある。

 少年、少女の諸君には、はやぶさ2によるリュウグウの科学探査への関心を深めてもらいたい。生きたサイエンスを勉強する最高のチャンスの訪れだ。

 リュウグウが算盤(そろばん)玉の形をしているのは、なぜだろう。試料採取のために、はやぶさ2が舞い降りる場所は、どこがよいだろう。

 公開されたリュウグウの画像を見詰めながら、そうしたことを自分なりに考えてもらいたい。

 疑問を持ちながら、新聞記事やテレビのニュースに接すると思考力が磨かれる。JAXAのホームページにも、はやぶさ2の特集コーナーなどが用意されている。

 そこでの解説に登場する研究者は、宇宙科学への扉を開いてくれる最高の先生だ。用意されているCGも実画像も素晴らしい。

 見ていると星の王子様になったような気がする小惑星探査は、ワクワク感で満ちている。その感動を専門家とともに味わえる機会は貴重だ。ゲームに劣らず面白い勉強だと思うが、どうだろう。

 はやぶさ2の探査活動を確認しながら、自分が気付いたことや考えたことなどを記録すれば、夏休みの自由研究にもなるはずだ。

 将来の科学技術の担い手は、若い世代だ。先代のはやぶさは、度重なるピンチをひとつずつ乗り越えた。その姿勢も学びつつ、成長の糧にしてもらいたい。