ゲーム依存 病気と認識し早期対応を

主張

 スマートフォンのオンラインゲームなどにのめり込み、健康被害や生活が破綻する深刻なケースが報告されている。

 世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」(ゲーム依存症)を病気と認定した。心身に障害をもたらす危険性をよく認識して、対策を急ぐべきである。

 WHOが病名や症状をまとめた最新版の「国際疾病分類」に、ギャンブル依存などに加えてゲーム障害の記載が決まった。

 ゲームをしたい衝動が抑えられず、生活に問題が出てもやめられない状態が続く。それが病気かどうかの分かれ目だという。

 1日に20時間もゲームを行い、睡眠障害が出る例などが報告されている。健康悪化にとどまらず、いらいらして家族に暴言をはくなど影響は心身にわたる。欠席・欠勤や引きこもりなどにつながり、社会生活に大きな支障が出る。

 これまでの研究で、ゲームによる過度の刺激を長時間受け、脳の損傷や萎縮が起きるなどの報告があるという。

 依存症は自分で行動が制御できない場合が多い。家族など周囲の人間が病気であることを理解し、医療機関や専門家への相談や治療をためらうべきでない。

 WHOは、依存症がゲーム愛好者の「2~3%」にとどまるとしているが、重症化する前の手立てが肝心である。

 日本でも国立病院機構久里浜医療センターが専門外来を設けるなど、診療や研究が行われてきてはいる。だが、実態把握を含めて政府の対策が十分とは言い難い。

 とくに注意すべきは、子供たちがスマホなどを通して、ゲームに簡単にアクセスできることだ。

 厚生労働省研究班の調査では、中学、高校生のうち約8%がネットへの依存性が高く「病的使用」とされた。最近は、ネット依存が問題化するケースの多くがゲーム依存といわれる。

 ネット上で他人と対戦でき、長時間のめり込みやすい背景もある。また、最初は無料でも、ゲームを有利に進めるため課金され、高額な費用を払う人もいる。

 スマホは家族らの目が届きにくいだけに、学校や保護者は実態をもっと知る必要があろう。

 情報機器が欠かせない現代だからこそ、上手に使いこなす教育が大切だ。ゲームに睡眠まで妨げられるのは異常としか言えまい。