水害への備え 早めの避難で命を守ろう

主張

 梅雨前線が活発化し、日本列島は梅雨本番を迎えている。

 大阪北部地震の被災地では20日に強い雨が降った。震度6弱の激しい揺れで、被災地域の斜面や家屋は崩落、倒壊のリスクが高まっている可能性がある。余震と併せて降雨にも厳重な警戒を続け、二次災害を防がなければならない。

 アジアモンスーン地帯に位置する日本列島はこれから数カ月、集中豪雨や台風による災害が起きやすい時期が続く。命を守るための備えと心構えを新たにしたい。

 特に警戒を要する現象が線状降水帯である。発達した雨雲(積乱雲)が列をなし、同じ場所に長時間、激しい雨を降らせる。

 昨年7月の九州北部豪雨、鬼怒川の堤防が決壊した関東・東北豪雨(平成27年)や広島市の土砂災害(26年)では、いずれも線状降水帯が猛威をふるい、多くの犠牲者を出した。

 近年は地球温暖化や都市部のヒートアイランド現象の影響で、過去に例がない、あるいは数十年に1度というような特異な現象が必ずしも稀(まれ)でなくなっている。日本列島のどこでも記録的豪雨に襲われる可能性があると、認識しておく必要がある。

 土砂崩れ、河川の氾濫、高潮など豪雨や台風がもたらす災害は地域によって異なる。自分が住む地域でどのような災害が起こり得るかを知り、事前にできる備えを確実に実行することが大事だ。

 災害時の持ち出し品や非常食を準備し、避難場所や経路を家族や地域住民で確認しておく。防災、避難意識を共有することで、災害時の混乱を抑えられる。

 命を守るためには風雨が激しくなる前に、安全確保のための行動を始めることが重要である。

 土砂崩れや河川氾濫が差し迫った段階では、激しい風雨で行動が制約される。危険な状況にあることが分かっていても、自力での避難も救援、救助活動もできない場合が多いからだ。

 気象庁は昨年から、土砂災害や中小河川の氾濫、短期間の豪雨に関する「危険度分布」を、ホームページで公表している。例えば、河川の洪水では現在の状況だけでなく、3時間後に予測される危険度も示される。

 自治体は早めの避難指示や勧告に、住民は迅速な安全確保行動に役立ててもらいたい。