都市直下地震 機能不全に冷静な行動を

主張

 大阪府北部を震源とする地震では、交通網が乱れ、断水やガスの供給停止が広範囲に起きた。都市は一時的に機能不全に陥った。帰宅が困難になる人が多く生じ、飲料水が品薄になったスーパーもあった。

 余震や不便な生活が続いているが、引き続き冷静な行動を心掛けたい。都市型の震災は、今後も起こり得る。その教訓もくみ取りたい。

 近畿地方では地震発生に伴ってJRや私鉄が停止し、高速道路も通行止めとなった。乗用車やタクシーで職場に向かう車列で、一般道路では大渋滞が起きた。

 鉄道では運転再開が一部深夜にずれ込んだほか、終日運行を見合わせた区間もあった。大阪市の淀川に架かる新淀川大橋を歩いて渡る人が列をなすなど、大勢の帰宅困難者が発生した。

 平成23年の東日本大震災で首都圏に帰宅困難者が多く出たため、国や自治体は対策を進めてきた。企業が従業員を施設内に待機させる計画を定めることなどを、求めている。

 今回の地震でも、自宅待機や早退を指示したり、非常食や毛布を用意して社内で宿泊ができるようにしたりした大手企業もあった。しかし、すべての企業にそうした対応を求めるのは難しい。

 帰宅困難者が都市の道路や橋に集中する状態は、転倒などの恐れもあり危険である。地震で建物が傷み、余震が続く状態ではなおさらだ。企業に対し社員の安全確保などさらなる周知が欠かせない。働く側も日頃から代替ルートを想定しておきたい。

 断水も生じた。この点、自治体が給水所などの情報をホームページで積極的に発信していることは望ましい。信頼できる情報が多いほど住民は安心できる。飲料水が一時的に店頭からなくなったように、情報が少ないとパニックにもつながりかねない。

 平成7年の阪神大震災も都市部を襲った。今回の地震は規模が阪神より小さい。単純に比較はできないが、人々の行動には冷静さも目立つ。スマートフォンなどで情報を容易に入手できるようになった効果もあろう。

 今回の被災地に限らず、それぞれの家庭に水や食料、カセット式ガスコンロなどの備蓄が必要であることを、改めて認識したい。地震大国に住んでいることを、忘れてはならない。