【主張】成人年齢 少年法改正の宿題も急げ - 産経ニュース

【主張】成人年齢 少年法改正の宿題も急げ

 成人の年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が成立し、関連する22の法律が見直された。
 4年後の4月に施行される。すでに選挙や憲法改正の国民投票の年齢は18歳以上となっている。成人年齢が追いつき、国民それぞれの人生の節目が約140年ぶりに改まる。若い世代と、よりよい国や社会を築いていく役割を分かち合う意義をかみしめたい。
 ただし、大きな宿題が残っている。少年法の改正である。
 平成28年6月に施行された改正公選法は、付則に「少年法と民法について必要な法制上の措置を講じる」と明記している。大人と子供の線引きが法によってまちまちなのは、不自然である。
 少年法の対象年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げる改正案については、法相の諮問機関、法制審議会で検討が続いている。「更生の機会が奪われる」といった反対論も根強い。
 だが現行の少年法でも18、19歳については「年長少年」と位置づけ、死刑の選択も禁じていない。昨年12月には、千葉県市川市で一家4人を殺害した犯行時19歳の死刑囚の死刑が執行された。究極の刑罰である死刑の容認は、保護や更生を旨とする少年法のあり方とは、すでに矛盾している。
 公選法、民法とともに、3法で成人の基準を18歳にそろえるべきではないか。対象年齢の引き下げによる犯罪の抑止にも期待できる。更生の機会の確保は、運用によって対応すべきだろう。
 滋賀県彦根市で今年4月、19歳の巡査が教育係の巡査部長を射殺し、実弾入りの拳銃を所持したまま逃走する事件があった。警察官とはいえ、「少年」に拳銃を貸与していたことになる。おかしくはないか。こうしたいびつな事態は解消すべきである。
 少年法はこれまでも、重大事件が起きる度に、刑事罰適用年齢を「16歳以上」から「14歳以上」に、少年院送致の下限年齢を「14歳以上」から「おおむね12歳以上」に引き下げるなどの改正を繰り返してきた。
 適用年齢の引き下げと厳罰化は、社会の実情に即した時代の要請だといえる。
 18歳が選挙権を有し、民法上も成人として認められる以上、刑事手続きにおいても成人として扱われるべきだ。大人の責任を自覚するためにも。