福島第2廃炉へ 基本計画の達成が危うい

主張

 東京電力が、福島第2原子力発電所(福島県楢葉町、富岡町)の原子炉全4基を廃炉にする方針を固めた。

 7年前の東日本大震災以前には、第1原発分と合わせ、計10基が福島県内に立地していたが、その全てが姿を消す。

 関西電力の大飯1、2号機が昨年12月に、今年3月には四国電力の伊方2号機が廃炉を決定したばかりだ。

 福島第2原発の廃炉が承認されると、日本の発電用原子炉は35基になる。米、仏に次ぐ原発大国だった日本の保有数は、中国を下回って世界4位への後退だ。

 政府はエネルギー政策で、原発依存度を可能なかぎり低減するとしているが、7年余で19基を失うのは急激な変化に過ぎる。

 地球温暖化防止の国際的取り組みである「パリ協定」で、日本は2030年度の時点で26%の二酸化炭素排出減を公約している。

 だが、運転で二酸化炭素を出さない原発がこれだけ減っては、達成が危ぶまれる状況だ。

 今夏に閣議決定される「エネルギー基本計画」でも、原子力発電は30年度に全電源の20~22%をまかなうことになっているが、こちらも同様におぼつかない。

 こうした現実を直視すれば、原発の新増設などをエネルギー基本計画に追加すべきである。安定したエネルギーの確保は、国の安全保障に関わる重大事だ。

 再生可能エネルギーでは、二酸化炭素を効率的に減らせない。

 福島第2は、巨大津波に襲われながらも発電所員の頑張りで危機を乗り越えた原発だ。技術的には再稼働への道も残っていたが、原発に対する県民感情の前に、その選択肢は望めなかった。

 それに加えて7年間の運転停止中に4基とも発電開始から30年を超えてしまい、再稼働を果たしても採算の見通しが立てにくい。

 福島第2に限らず、全ての原発は停止中であるにもかかわらず、経過した歳月が運転年数に全面加算されていく。原子力規制委員会は、この不合理を早急に見直すべきである。

 東京電力は、事故の賠償と安全な廃炉に巨額の資金調達を迫られる。その捻出の成否の鍵は、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が握る。新知事の花角英世氏には、新潟県民の理解を深めつつ、2基の再稼働への速やかな道を開いてもらいたい。