核を捨てられるわけないやんか! どうしたん? 金正恩同志!

宮嶋茂樹の直球&曲球

 どうしたん? 金正恩(キム・ジョンウン)同志! 米トランプ大統領との史上初の首脳会談という晴れの舞台に、何で「ご自慢」の専用機(旧ソ連製のイリューシン62型)で行かんの。何で中国国際航空(エアチャイナ)なんか使うの?

 と思うてたら何や、ちゃんとイリューシンも飛ばしたんやて。せやのに、イリューシンには自分は乗らんと随行団を乗せて。やっぱ“博物館もん”の旧式機では不安やったんか、命惜しかったんか。ホンマ、ビビリやのう。

 会談場所のシンガポールの隣のマレーシアの空港で、兄貴が刺客を送られ、猛毒のVXかがされて殺されとるんや。おんどれの国の関与は隠しても隠しきれん。さらには、義理とはいえ叔父を重機関銃でバラバラにしても一向に良心痛まんのに、専用機に乗るんは怖いんやな。

 しかし…恥ずかしないか、怖ないか、中国人に頭下げて飛行機貸してもうて。どうせカネは払うてないと思うけど、タダほど怖いもんないで。しかも、中国軍の戦闘機の護衛までつけてもうたという噂まである。いまや“中国の内海”にしてもうた南シナ海でブイブイ言わせたか? ホンマ子供やのう。

 それにしても、けったいやないか。平壌-シンガポールの距離の何倍もある、米ワシントンやニューヨークまでダイレクトに届く、核弾頭載せたICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発に成功したと自慢しとったのに、シンガポールまで行ける飛行機すらよう造れんの?

 ほしたら、キューブリック監督の名作映画『博士の異常な愛情』の主人公みたいに、ICBMにまたがってシンガポールに向けて発射してもうたらよかったやん。

 あっ、そういえば、この映画のサブタイトルは、「私はいかにして心配するのを止(や)めて水爆を愛するようになったか」やったな。

 そんな水爆大好き…の金同志…。口先でなんぼ約束しても核を捨てられるわけないやんか。バラバラにした叔父や、政治犯収容所に送って見殺しにしたおびただしい朝鮮の人民は、なんぼでも見捨てられんのにな。

                   ◇

【プロフィル】宮嶋茂樹

 みやじま・しげき カメラマン。1961年、兵庫県出身。日大芸術学部卒。写真週刊誌を経てフリーに。東京拘置所収監中の麻原彰晃死刑囚や、北朝鮮の金正日総書記をとらえたスクープ写真を連発。写真集に男女の若き海上自衛官を撮った「国防男子」「国防女子」。