【主張】新潟知事に花角氏 国際的視座に原発を置け - 産経ニュース

【主張】新潟知事に花角氏 国際的視座に原発を置け

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所を擁する新潟県の知事選挙で、前海上保安庁次長の花角英世氏が当選した。
 脱原発を強く打ち出した元県議の池田千賀子氏らを破ったものだ。
 新潟県では、国の判断による再稼働に異議を唱える知事が、2代にわたって柏崎刈羽原発の前に立ちはだかってきた。
 花角氏には、エネルギー問題全体を展望する国際的な視点で、この重要課題の解決に取り組んでもらいたい。
 それには、まず国との積極的な対話の促進が必要だ。新潟県の出身で副知事の経験を持つ花角氏であれば、円滑に県政と国政との調和を図れるはずだ。
 花角氏は知事選で、福島原発事故の原因などについての検証は前任の米山隆一氏の路線を踏まえて継承するとしてきた。それなしに、再稼働の議論は始められないとの見解も示している。
 この案件は、県民の不安を取り除くために進めてもらいたい。ただし、速やかな検証進展への留意と、原子力規制委員会の安全審査との対立的な二重構造にならない舵(かじ)取りが重要だ。
 歩み寄りの余地がない対立は不毛で、県民と国民の納得を遠ざけるものでしかないことを肝に銘じてもらいたい。
 7基の原発を擁し、総出力821万キロワットの柏崎刈羽は、世界最大の原子力発電所である。6、7号機は昨年12月、規制委の安全審査に合格しているが、米山氏によって再稼働へのハードルが引き上げられていた。
 海上における法の執行者だった花角氏には、強く再認識してもらいたいことがある。再稼働には本来、知事の法的権限は及ばない。越権行為は慎むべきである。
 柏崎刈羽6、7号機は先進的なABWRという原子炉で、普通の沸騰水型の改良タイプだ。
 これまでに再稼働した原発はいずれも加圧水型で、沸騰水型は皆無である。6、7号機には、他県の沸騰水型原発の再稼働の先導役としての期待もかかる。
 さらに指摘するなら、原発の再稼働は、地球温暖化防止を目指す「パリ協定」で、日本が世界と足並みをそろえる手段でもある。
 安倍晋三首相には、国が前面に立って、安全が確認された原発の再稼働の必要性を熱く国民に説明する一層の努力を求めたい。