新介護保険料 納得できる給付と負担を

主張

 65歳以上の高齢者が払う介護保険料の全国調査結果がまとまった。3年に1度の改定期に当たり新保険料は月額平均5869円で、355円(6・4%)上がる。

 自分の住む自治体の介護サービスと保険料に、もっと関心を持ち、将来を見据えて考える契機にしたい。

 運営主体の約1600の市区町村などを対象に、主な利用者である65歳以上の保険料を厚生労働省が調べた。今年6~8月から新保険料に切り替わる。

 保険料は「6千円」突破が確実ともみられていたから、踏みとどまったといえよう。

 注目したいのは、保険料を上げた自治体が8割弱ある一方、下げるか、据え置いた自治体が2割強あることだ。

 保険料は介護サービスの量を反映する。一般に要介護の認定率が高かったり、利用が多かったりすると保険料は上がる。水戸市や大分市などは介護予防に積極的に取り組み、保険料を据え置いた。

 十分に分析し、他の自治体の参考にしたい。健康長寿の生活を送る取り組みは高齢者本人も望むことだろう。

 介護事業のデータは「見える化」が進んでいる。わが町のサービスメニューや量が、全国でどのくらいの水準か、他の自治体と比べるシステムも整ってきた。

 自治体は、こうしたシステムも活用し、保険料算出の根拠になった事業計画をホームページなどで公表している。

 計画を見ると住んでいる自治体が、どんなサービスを、どのくらい整えるつもりかが分かる。

 自身が要介護になったら、どんな介護を受けられるのか、そのためには、どのくらいの保険料を負担する必要があるのか。住民が納得できることが、制度を維持していく上で重要である。

 市区町村の努力と住民のコスト意識は重要だが、急激に進む人口減少の下で、特に規模の小さな町村などで制度が継続できるのか、真剣に考える時期にきている。

 介護保険制度が始まった平成12年度と比べて、保険料は2倍を超えた。高齢者人口がピークに近づく22年後には約9200円まで上がるという推計も出ている。

 介護サービスと保険料の負担は不可分であり、必要なサービスとのバランスを考えたい。わが身のことである。