【主張】神鋼のデータ改竄 不正の根絶へ徹底捜査を - 産経ニュース

【主張】神鋼のデータ改竄 不正の根絶へ徹底捜査を

 神戸製鋼所による製品検査データの改竄(かいざん)問題で、東京地検と警視庁が、虚偽表示を禁じた不正競争防止法違反の疑いで同社の東京本社などを家宅捜索した。
 同社の調査では、改竄は1970年代から始まり、その製品の出荷先は国内外の600社以上に及ぶ。複数の執行役員や元役員が改竄を黙認し、部下に不正を直接指示していた。
 過去に何度もデータ改竄などが発覚し、そのたびに再発防止を誓っていた。それでも不正が繰り返された事態は深刻である。
 日本のものづくりに対する信頼を失墜させた同社の経営体質を捜査であぶり出し、不正の根絶につなげてもらいたい。
 グループ内の23拠点で、アルミニウムや銅などの製品データ改竄が広く行われた。高い安全性が求められる自動車や航空機、新幹線向けも含まれる。強度や寸法など、顧客と約束した仕様をクリアしたようにみせかけていた。昨年10月に発覚し、今年4月には社長兼会長が引責辞任している。
 収益確保を優先して検査に対する監督が疎(おろそ)かになったことを理由にしている。ただ、元役員らの関与が判明しており、組織ぐるみの疑いもある。
 これまでも製鉄所から出る煤煙(ばいえん)データの改竄や、子会社による検査データ偽装などの不正を繰り返してきたのに、反省がまったく生かされていない。
 今回の問題では、すでに米司法当局も捜査を始めている。日本の捜査当局としても徹底した原因の解明が欠かせない。
 産業界では三菱マテリアルや東レなどで品質不正が相次ぎ、日本の製造業の信用を自ら揺るがすような事態を招いている。
 大手自動車メーカーのSUBARUでは燃費不正の判明後、再発防止に向けた国土交通省の検査で新たに燃費測定の不正が明らかになった。自動車業界では、ほかにも三菱自動車や日産自動車で燃費データの改竄や完成車検査などの不正が発覚している。法令順守をめぐる意識改革は急務である。
 経団連の新会長に日立製作所会長の中西宏明氏が就任した。日本を代表する大手メーカー出身だけにその手腕に対する期待は大きい。産業界で頻発する品質不正の再発防止に積極的に取り組み、企業統治の確立を主導しなければならない。