釜山の徴用工像 「慰安婦」の撤去はまだか

主張

 韓国・釜山で徴用工像が撤去された。法に従った当然の措置を歓迎したいが、遅きに失している。慰安婦像の撤去も早急に行うべきだ。

 徴用工像は、韓国の市民団体や労働団体が釜山にある日本総領事館前の慰安婦像のそばに設置を目指していた。

 これは、朝鮮半島からの動員を「強制連行」などと非難する反日運動に他ならない。

 5月1日の設置計画に際し、警官隊が動員され、阻止された。像は総領事館近くの歩道に置かれたため、5月末、管轄する釜山市東区により撤去作業が行われた。

 多数の警察官らが囲む中、大騒ぎとなった。安全で静かな環境が守られるべき外国公館周辺で、異常な光景が繰り返された。

 撤去された徴用工像は「国立日帝強制動員歴史館」で一時保管されるという。この施設の名称にも耳を疑うが、設置計画が再燃することのないようにしてほしい。

 菅義偉官房長官は撤去について「かかる像が設置されないよう、しっかりと注視をしていきたい」と述べた。

 これで満足することなどできない。さらに厳しく迫るべきだ。釜山のみならず、ソウルの日本大使館前にも慰安婦像は置かれたままである。放置するのは、信頼関係を築く妨げでしかない。

 韓国の李洛淵首相は5日、徴用工像撤去に関し「手続きに反した設置は違法だ」とし、「いかなる場合も法は守られなければならない」と述べたという。

 慰安婦像は別だという二重基準は許されまい。ご都合主義は国際社会で通らない。

 2015年12月の日韓合意で、両国政府は慰安婦問題で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。国連など国際社会において「互いに非難・批判することは控える」ことも約束した。

 文在寅政権では、この合意に反する行為が続いている。鄭鉉栢女性家族相は、今年8月に慰安婦問題の研究所を開設することを表明した。

 いったい何を研究するというのか。慰安婦は「性奴隷」だなどと嘘を広め、歴史をねじ曲げる拠点となるようなものなら、許すことはできない。

 約束を履行せず、隣国を執拗(しつよう)に非難する国は、まともに相手にされない。韓国は自らの国際的立場を冷静に考えるときだ。