ラマダンの終わり頃に起きる変化とは

千夜一夜
 5月16日、エジプト・カイロで、電飾店にラマダン用のランタンを買いに来た人(共同)

 カイロの支局近くの大通りの真ん中に、いきなりたくさんのテーブルが並べられ、多数の人が食事をしていた。何事かと思ったが、ラマダン(断食月)なのだとすぐに気づいた。

 イスラム教徒は日の出から日没まで、水も食べ物もいっさい口にしてはならないラマダン。今年は5月中旬から約1カ月続く。期間中は、富裕な人がお金を出して貧しい人に食事を振る舞うのがならわしで、日没になるとあちこちに臨時の“食堂”ができる。

 ラマダン入りの前は注意が必要だ。酒を売る店が閉まるので、ビールは買いだめしておいて日数を計算しながら飲まなくてはならない。しばしば朝食を取るレストランも日中は休みで、自炊が増えてスーパーに足しげく通うことになる。

 とても健康によいとは思えないが、知人のエジプト人に聞いたら、「体の中が清められる気がする」と話していた。一方でちょっと怖い話も聞いた。ラマダンの期間が終わりに近づくと、「ドライバーの運転が荒くなる」という。のどの渇きと空腹が限界に達し、いらいらするようだ。

 じりじりと太陽が照りつけ、気温が40度を超えることもあるカイロ。毎年恒例とはいえ、路上で花や青果を売る人々が夕方、ぐったりしているのを見ると、なんだか気の毒になる。(佐藤貴生)