岡山女児殺害 惨劇繰り返さない措置を

主張

 悲しいかな、許し難い惨劇が何度も繰り返される。少女を守りきれない社会のありように、無力感さえ覚える。残酷な犯行に対する怒りを、少しでも良好な未来に結びつけたい。

 岡山県津山市で平成16年9月、当時9歳の女児が殺害された事件で、岡山県警は殺人容疑で服役中の無職、勝田州彦容疑者を逮捕した。女児は自宅で首を絞められ、刃物で複数回刺されていた。勝田容疑者は岡山県警に「かわいい子だと思った」などと供述しているという。

 勝田容疑者は27年5月、兵庫県姫路市内で中学3年の女子生徒の腹などを刺し、重傷を負わせたなどとして岡山刑務所に服役していた。この事件の1審判決では「少女のシャツが血で染まるのを見たいという特異な性癖に基づき、女子中学生を無差別に狙った」と動機を認定されていた。

 勝田容疑者は21年にも兵庫県内で、通りがかりの小学生女児らを殴る傷害や暴行事件を起こし、実刑判決を受けていた。同様の犯行を、何度も繰り返していたのだ。今回の服役で、懲役10年の刑期を終えれば、社会に復帰していたはずである。

 新潟市で5月、7歳の女児が殺害され線路上に遺棄された事件では、近くに住む男が逮捕された。男は4月にも別の未成年者に対する新潟県青少年健全育成条例違反容疑で書類送検されていた。

 この種の犯行は、繰り返される傾向がある。そして、その結果はあまりにも重大である。

 13歳未満の被害者に対する性犯罪で服役した出所者については法務省が警察庁に情報を提供し、警察署などが定期的に所在を確認する出所者情報提供制度がある。だが、必ずしも十分ではない。

 米国では全州で、性犯罪者は顔写真と個人情報がネットで公開されている。韓国や英国、ドイツ、米国の多くの州などでは、特定の前科前歴者に対して衛星利用測位システム(GPS)の装着を義務づけ、成果を挙げている。

 国内でも宮城県や大阪府が性犯罪前歴者などを対象とするGPSの携帯を義務づける条例を検討したことがあるが、人権侵害や監視社会につながるなどの反対もあり、制定には至っていない。

 だが悲惨な事件はもうたくさんだ。少しでも効果が望めるなら導入を躊躇(ちゅうちょ)すべきでない。