【西海岸から】脱出するエリートたち トランプ政権の移民政策や経済制裁が影響 - 産経ニュース

【西海岸から】脱出するエリートたち トランプ政権の移民政策や経済制裁が影響

 24日、ベネズエラ・カラカスの制憲議会で、就任宣誓するマドゥロ大統領(左)(ロイター)
 「ベネズエラ人だから受け入れ先のスポンサーが見つからず、高技能者向け就労ビザ(H-1B)の取得申請ができなかったんだ」
 南米ベネズエラの反米左翼、マドゥロ大統領が強行した大統領選挙を現地取材した際、知人の男性がこう語り始めた。
 彼は米名門ハーバード大ロースクール出身の弁護士。米国での就職を希望したが、受け入れてくれる法律事務所が見つからなかったのだ。
 独裁を強めるマドゥロ政権に対して、米国が経済制裁を強めていることに加え、移民政策をめぐって厳しい態度を取り続けるトランプ米政権下で、H-1Bビザの発給が厳格化されていることも影響しているようだ。
 かつては石油資源を背景に中南米有数の豊かさを誇ったが、近年は左翼政権下で政治、経済が混乱。生活に困窮した人々だけでなく、医師や技術者らの脱出も相次ぎ、国の根幹を担う人材の不足が懸念される状況になっている。
 知人は近々、スペインへ渡るという。ベネズエラが旧スペイン領でビザの取得が容易なうえ、2年滞在すれば市民権も得られるそうだ。「ベネズエラが平和で落ち着いた国になれば戻るかも…」。祖国に後ろ髪を引かれる思いだろうか、彼は寂しげな表情を見せた。(住井亨介)