アメフット問題 日大は自ら真実の解明を

主張
会見する関西学院大の小野宏ディレクター、鳥内秀晃監督(左から)=5月26日午後、兵庫県西宮市(彦野公太朗撮影)

 日本大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題は広がりをみせる一方である。混乱に終止符を打つ責任は日大にある。自ら真相を解明し、公表するしか、その方策はあるまい。

 日大選手の悪質な反則で負傷者を出した関西学院大側は、日大側の再回答書について「内容には多くの矛盾が存在し、真実とは到底認識できない」と述べた。

 再回答書は、内田正人前監督が「直接反則行為を促す発言をしたという事実は確認されていない」とし、従来の主張を繰り返した。これに対し関学大側は、反則は内田氏らの指示によるとした宮川泰介選手の会見内容を「真実と確信している」と評価した。

 関学大による「多くの矛盾」の指摘はいちいち得心のいくものだ。日大は宮川選手への聞き取りさえ行っていない。

 日大は前日に大塚吉兵衛学長が会見し、謝罪したが、内田氏の指示の有無については「コメントは控えたい」と繰り返す一方で、アメフット部については「できるだけ早い時期に活動を再開してもらいたい」と述べた。事態の重大性が理解できていない。内田氏らによる指示の有無があいまいなままで、活動の再開はあり得ない。

 関学大は日大が設置した第三者委員会や警察の捜査に期待をかけたが、調査や捜査には時間がかかる。これを待っていては日大の失地はいつまでも挽回できまい。

 日大アメフット部では現役選手らの間に、宮川選手を守り首脳陣に抗議する声明を出す動きがあるという。関学大の鳥内秀晃監督も日大コーチらに「勇気を持って真実を話してほしい」と促した。

 だが監督を辞任した内田氏は常務理事(謹慎)として学内にとどまっており、大塚学長よりも上位にある。アメフット部には現在も絶大な力を持ち、人事担当の学内トップとしても多くが大学職員であるコーチへのにらみが利く。

 選手やコーチが口を開くには、大きな障害である。日大はまず、内田氏の影響力を排して真相の解明に当たるべきではないか。

 内田氏は問題の試合後、反則の指示を明確に認めていた。会見では「自分が悪役となって選手を救いたかった」と弁明したが、ここに至っての撤回は、選手より保身を優先させたということか。この一事をもってしても、指導者の資格があるのか疑わしい。