森友交渉記録 立法府への愚弄どう償う

主張

 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、財務省が学園側との交渉記録が見つかったとして国会に提出した。

 昨年2月に、理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が「廃棄した」と答えていた記録である。

 そのこととのつじつまを合わせるため、理財局の指示で、答弁後に保管記録の廃棄を進めていた。それも財務省が認めた。

 国会をどこまで愚弄するのだろうか。安倍晋三首相は「国会答弁との関係で文書を廃棄するのは不適切で誠に遺憾だ」と述べた。だが、行政府の長としての責任を果たしているとは言い難い。

 森友関連の決裁文書が改竄(かいざん)されていた構図と基本的には同じである。記録や答弁をめぐる嘘が平気で重ねられる。それに基づいた国会審議は、意味を失う。

 極めて悪質だと言わざるを得ない。ここに至る間、財務省が自発的に対応する姿勢に欠けていたことも見過ごせない。

 財務省は国会答弁が事実と異なっていたことを陳謝し、一連の経緯を調査して報告すると説明した。速やかに対処すべきだ。

 麻生太郎副総理兼財務相の責任は、とりわけ重い。相次ぐ財務省の失態は行政全般への国民の信頼を損なった。自らを含む関係者の厳正な処分を求めたい。

 学園側との交渉記録は、職員が手元に残しておくため個人のパソコンなどに保存していた。

 この中には、安倍昭恵首相夫人付の政府職員が財務省担当者に問い合わせた記述もあった。夫人の関与を否定してきた安倍首相には、改めて納得のいく説明を尽くしてもらいたい。

 ないとしてきた文書や記録が、次々と明るみに出る。安倍政権下に特有の出来事という印象を与えていないか。23日に小野寺五典防衛相が調査報告を公表した、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報問題も同様である。

 ずさんな公文書管理を改めるのは当然だが、失態が表面化しても問題を大きくとらえず、結果的に混乱を拡大させる。政権の対応のまずさに起因する面は大きい。

 背景には、巨大与党にあぐらをかいた政権の緩みやおごりもうかがえる。首相や麻生氏は最大限の危機感を抱くべきである。

 他の重要課題を抱えながら、昨年来の懸案にひきずられている状況を脱却しなければならない。