5月19日

産経抄

 「私の知る限り歴代自民党総理で安倍総理が最悪です」。菅直人元首相(立憲民主党最高顧問)が14日付の自身のブログで安倍晋三首相について、こうこきおろしたことが、インターネット上で話題を呼んでいる。当たり前だが、「あなたがそれを言うのか」という反応が目立つ。

 ▼菅氏というと、首相在任中に起きた東日本大震災での「震災処理の不手際」や「復興計画の立案と実行の遅れ」が、高校歴史教科書にも記載された特異な存在である。尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりした際、超法規的に中国人船長を釈放したことも忘れ難い。

 ▼8人の衆参両院議員を支えたベテラン政策秘書、朝倉秀雄さんの著書『戦後総理の査定ファイル』(彩図社)は、戦後歴代首相31人を「能力」「資質」「手腕」など5項目にわたりチェックし、採点している。結論から言えば菅氏は歴代最低の計25点だった。

 ▼それでは、そんな菅氏は安倍首相のどこが最悪だと主張しているのか。ブログには、森友・加計問題に関する答弁は「ごまかし、すり替え、居直りのオンパレードで、聞くに堪えない」と記している。安倍首相は本当のことを語っていないと言いたいようだ。

 ▼一方、安倍事務所で陳情処理に当たっていた元公設秘書は、17日付の自身のフェイスブックで訴えていた。「加計理事長は獣医学部の申請に際して安倍総理や安倍事務所に陳情したことなど一切ない」。加計孝太郎理事長と何度も飲食し、ゴルフもしたが、「頼み事をされたことなど全くない」という。

 ▼ともあれ、菅氏は自身の首相時代はどう評価しているのか。読み返すと、菅氏が安倍首相について「歴代自民党総理」で最悪と書いているのが意味深長である。