【主張】国民投票法の改正 早急に片付け実質論議を - 産経ニュース

【主張】国民投票法の改正 早急に片付け実質論議を

 自民、公明両党が野党に対し、憲法改正手続きを定めた国民投票法の改正を呼びかけている。
 商業施設への共通投票所の設置や、水産高校の実習生に洋上投票を認めるなどの内容だ。
 これは、平成28年の公職選挙法改正で取り入れられた7項目を、国民投票法にも反映させるためのものである。
 さらに、現行の公選法で「要介護5」の人(約60万人)などに限る郵便投票の対象者を「要介護4、3」(計約160万人)へも広げるため、公選法と国民投票法の改正をはかる。
 国民投票への参加は、主権者である国民の重要な権利だ。投票しやすい制度の整備は、国会が忘れてはならない仕事である。党派に関係なく、今国会での改正案成立に努めるべきだ。そのうえで、衆参の憲法審査会は早期に、どのような改正を目指すべきかの実質論議に入ってほしい。
 「7項目」は本来、28年の公選法改正と同時に決めておくべきものだった。それを怠ってきたことを反省してもらいたい。
 自公両党の提案に対し、野党側は早ければ24日の衆院憲法審査会の幹事懇談会で返答するという。前向きでない政党がいるのはきわめて疑問である。
 立憲民主党は、改憲案への賛否を呼びかけるテレビCMに対し、規制を強める法改正を行うよう唱えている。
 執行部には、同党案に基づく法改正を将来行う約束がなければ、自公提案に応じないとの意見もある。改憲自体に反対する共産党は自公提案に反対だ。
 立民のテレビCM規制論は、改憲賛成派がテレビCMで反対派を圧倒する量の宣伝を行う、という想定に基づく。いかにも極論ではないか。節度を越える宣伝を行う事態になれば、むしろ視聴者は違和感を抱き、反発するだろう。
 また、現行の国民投票法でも、投票日14日前からはテレビCMを禁止することを定めている。さらなる規制強化が必要だとは思えない。テレビCMが、改正をめぐる国民の知見の向上に役立つことの利点を生かしたい。
 あの手この手で国民の投票環境を整える法改正の作業を引き延ばし、憲法改正の実質論議に入るまいとする。そのように映る言動を重ねるとしたら、党名の「立憲」の名が泣くというものだろう。