【主張】「漫画村」捜査 著作権の泥棒を逃がすな - 産経ニュース

【主張】「漫画村」捜査 著作権の泥棒を逃がすな

 インターネット上に人気漫画などを無断で掲載していた海賊版サイト「漫画村」に対し、著作権法違反容疑で警察が捜査を始めた。
 対価を払わずに創作物で商売をするのは、泥棒行為だ。捕まえるのは当然である。再発防止のためにも、徹底した捜査を望みたい。
 漫画村には、「進撃の巨人」(講談社)など多くの人気漫画が無断で掲載され、深刻な被害が出ていた。出版社が容疑者不詳で告訴したのを受け、福岡県警などが捜査に当たっているという。
 最近の海賊版サイトは画像などが鮮明で、最新刊が出版から間をおかずに掲載され、スマホなどで無料で読むことができる。
 中でも漫画村は最大規模で、コンテンツ海外流通促進機構によると昨秋からの約半年で延べ6億人超が閲覧し、推定被害額は3千億円以上に上るという。
 漫画村は既に閉鎖されたが、類似サイトも登場している。いたちごっこを止めるため、運営者の特定など捜査による解明に努めてもらいたい。
 出版社側は個別に削除要請を行ってきたが、限界がある。政府が4月に緊急対策を発表したのも、状況を重くみたからだ。
 民間のプロバイダー(接続業者)に協力を求め、特に重大な被害をもたらす漫画村など3つのサイトを示し、接続遮断が適当だとした。業界大手のNTTグループのプロバイダーが遮断を決めるなど、協力する動きも出ている。
 政府が強い姿勢に出る中で、漫画村は接続遮断される前に閉鎖された。創作文化の芽を摘む犯罪に厳しい認識を持ち、有効な対策を急ぐことが重要である。
 明らかな違法行為に対する対応なのに、通信の秘密や検閲禁止を定めた憲法に抵触する、といった批判が多い。欧米などでは違法サイトを接続遮断する法規制は珍しくない。
 日本でも法的根拠を明確にすべきだが、的外れの批判があるため進まない。児童ポルノへの接続遮断の措置も、特例として行われている。泥棒を拘束することについて「移動の自由」を妨げるとでもいうのだろうか。
 海賊版サイトは、アクセス数によって広告で利益を得る。広告を扱う業者も、犯罪に加担していると認識すべきだ。無料につられる利用者も同様である。