5月3日

産経抄

 コミックバンドの先駆け「クレージーキャッツ」のリーダー、ハナ肇さんが亡くなったのは、平成5年9月である。僧侶でもある植木等さんは、すぐに盟友の枕元に駆けつけ読経した。やがて報道陣の前で宣言する。「支離滅裂という言葉がありますが、支えが離れたわけで、きょうで解散です」。

 ▼昨日、人気アイドルグループ「TOKIO」のメンバー4人が全員黒服、黒ネクタイ姿で勢ぞろいした。山口達也さん(46)が強制わいせつ容疑で書類送検され、起訴猶予処分となった事件を受けて開いた会見である。

 ▼そのなかで松岡昌宏さん(41)は、目に涙を浮かべながら、解散まで考えていたと明かした。問題にしたのは、山口さんが謝罪会見で漏らした、将来のグループ復帰を期待するような発言である。「その甘えの根源がTOKIOだとしたら、一日も早くなくした方がいいと思います」。もちろん、解散などあり得ない。

 ▼ハナさんと植木さんは出会ってから、47年間の付き合いだった。TOKIOにしても、30年近く競い合ってきた仲間である。「僕は山口を見捨てることはできません」。国分太一さん(43)は、山口さんが提出した辞表について、苦しい胸の内を吐露していた。

 ▼メンバーが全国各地に出没して地元住民と触れ合う「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)は、小欄のお気に入りの番組である。東京電力福島第1原発事故が起こるまで、福島県浪江町で自給自足生活を送るコーナーが人気を呼んでいた。

 ▼その縁から、福島県の農産物をPRする活動を続けてきた。風評被害に苦しんできた農業関係者にとって、どれほど励みになってきたことか。4人は福島復興の顔として、一日も早く笑顔を取り戻してほしい。