野党の審議拒否 「言論の府」役割忘れるな

主張

 立憲民主党や民進党など野党6党による国会の審議拒否が続いている。「言論の府」の一員であるという自覚に欠けている。審議の席に早く戻るべきだ。

 国民のため、よかれと信ずる政策を国会で論じ合う。その議員の本分に立ち返ってほしい。

 相次ぐ政権側の不祥事が、野党の攻撃材料を増やしている。それらは国会の質疑の中で追及するのが筋だ。審議拒否で政権と戦う姿勢を示しても、野党への国民の共感は得られていない。その現実を正視したらどうか。

 4月26日の衆参予算委員会の集中審議は外交などがテーマだった。与党と日本維新の会は質疑をしたが、6党側は出なかった。

 衆院予算委では、安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相らがぽつねんと座ったまま質問者を待つ「空回し」が約1時間50分も続いた。南北首脳会談を翌日に控え、あり得ない情景である。

 行われたばかりの日米首脳会談をめぐっても、北朝鮮問題や日米通商関係など政府にただすべき事柄は多かったはずだ。

 与党は、成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案や働き方改革関連法案を審議入りさせた。必要なことにもかかわらず、6党の態度はより硬化した。

 麻生氏の辞任や、柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問、財務省の公文書改竄(かいざん)問題の調査の早期公表などが、6党が求める正常化の条件だ。だが、それらも本会議や委員会で論じればいい。

 それに代えて野党の合同ヒアリングに官僚を呼んでつるし上げているが、それが人気取りになるわけもない。

 内閣支持率が続落する傾向は、政権への信頼低下を示している。それでも、追及する側の野党に期待が集まらない。自分たちの振る舞いにその理由があることに6党は気付かずにいる。

 政府・与党は野党の審議拒否への批判に余念がないが、自らの失態が国政の混乱を招いていることへの反省が足りない。財務省の公文書改竄や前事務次官のセクハラ問題、自衛隊の日報問題など、目を覆う不祥事の連続である。

 国民は情けない気持ちを抱いている。そこに思いが至らないのは大いに問題がある。自民党では総裁選に向けた議論も活発化してきたが、それを口にする前に混乱への対処能力を示すべきだ。