【ん!?】心意気を感じた「あんの食べ比べ」 - 産経ニュース

【ん!?】心意気を感じた「あんの食べ比べ」

 「あんの食べ比べ」に挑戦した。セレクトされた有名店の餡子(あんこ)から4種類。正直、当てるのは無理。こしあんか、つぶあんか、ぐらいがやっと。解説には「しっかりした粘り」「瑞々(みずみず)しいさわやかさ」「ゆるやかな食感」とか書かれていたが判別不能。ただ、個性があるのはよくわかった。材料は似ているはずだけど、各店が独自の製法を探求しているのだろう。
 東京の日本橋三越本店で先週まで開催されていた「全国銘菓展」での一幕。会場には各地から店が集まっていた。小布施の栗菓子、京都の生八つ橋、高知の芋けんぴ、鹿児島のかるかん…その場で甘党日本一周ができそうな品ぞろえ。
 この銘菓展、ちょっとした歴史がある。今年で72回目で、はじまりは昭和25年。砂糖や小豆がなかなか入手できなかった戦後の混乱期だ。復興を目指す老舗の菓子店が全国銘産菓子工業協同組合(全国銘菓)という団体を作って政府と交渉し、特別配給された材料を分け合って菓子を作った。協力して開いた展示即売会は「大群衆が埋めた10日間」になったという。それが現代まで続いているのだ。
 いま全国銘菓に加盟する店は88軒。「あじわい」という季刊の広報誌も歴史を感じさせる。こちらも創刊50年、通巻200号という。加盟店の店頭に置いていて、ホームページで過去記事の一部も読める。編集委員会には店主らが名を連ねている。地域も離れた店同士が、組合の活動を通じて刺激し合っているのだそうだ。
 食べ比べでは、某有名店の上衣を着たスタッフが餡子を盛っていた。私が選んだ4種類はたまたま全部他の店のものだったが、にこやかに丁寧に応対してくれた。舌は肥えていなくても心意気はわかる。ごちそうさまでした。(篠原知存)