強打者の打順は1番、2番に? 2月21日

産経抄

 平昌冬季五輪が25日に閉会式を迎えると、入れ替わるように、球春が到来する。プロ野球のオープン戦も今週末から始まる。昨日の毎日新聞で、興味深い記事を見つけた。野球の常識が覆りつつあるというのだ。

 ▼強打者の打順が1番、2番となり、送りバントが消えるかもしれない。根拠となるのは、「セイバーメトリクス」と呼ばれるデータ分析手法である。打率や打点、防御率などに代わる、新しい指標を導入すると、選手の評価や戦術が大きく変わる可能性がある。

 ▼この手法が生まれたきっかけは、米カンザス州に住むビル・ジェームズ氏が1977年に自費出版した小冊子である。データについて独自の考え方を披露すると、やがて全米でベストセラーとなった。大リーグでは、アスレチックスのビリー・ビーンGMがいち早く取り入れた。年俸の低い選手だけで、2002年には地区優勝を果たす。チームの再建劇は映画にもなった。

 ▼セイバーメトリクスにより、ゴロよりフライの方がアウトになる確率が低いこともわかった。このため大リーグでは、従来は少数派だった下からすくい上げる打法が流行している。昨年は、本塁打総数が過去最多となる「フライボール革命」をもたらした。日本でも、フライを狙う打者が増えそうだ。

 ▼来月23日から始まる選抜高校野球でも、セイバーメトリクスが話題を呼んでいる。21世紀枠で59年ぶりに出場する滋賀県の膳所(ぜぜ)は、専門部員が集めたデータを分析して、守備位置などを決めるそうだ。

 ▼もちろんデータに頼りすぎると、野球の魅力が失われるとの批判もある。ONを1番、2番に置いたら、巨人の打線はどれほどの破壊力だったろう。小欄はそんな夢想を楽しみながら開幕を待つ。