ミュージカルの魅力に気がついた

ん!?

 背の高いキリン、縦横に飛び回る鳥たち、群れをなすレイヨウ…。独特のマスクや衣装、人形を駆使する俳優が舞台に飛び出してきた最初のシーンから、もう夢中になっていた。

 昨年12月、小欄でミュージカルの話を書いた。舞台でセリフをしゃべっていた人が急に歌い出すのがどうも苦手なのだが、最近はそこに違和感を覚える人は減ったらしい。子供の学芸会でも“突然歌唱”は当たり前になっていて…。

 そんな内容。すると数日後に「コラムを読みました。うちの舞台もぜひ鑑賞を」と手紙をいただいた。差出人は劇団四季の広報担当者。びっくりしたけど断る理由はない。というか、素直にうれしい。東京・大井町の四季劇場[夏]で「ライオンキング」を見せてもらうことに。

 連続ロングランが20年目に入り、なお約1100席の専用劇場で満員御礼を続ける大人気の演目。リピーターも多いだろうけど、初見で斬新な舞台表現に驚かない人はいないはず。客席で何度ものけぞった。

 個人的懸案だった「セリフか歌か」問題。じつは、見ているうちに忘れていた。印象に残っている言葉のいくつかは、はてセリフだったのか、歌詞だったのか、よく覚えていない。歌っていた気もするけど、まぁどっちでもいいかな。

 なにしろ、劇中歌が始まるとうれしくなってしまう。歌詞が日本語でなくても、表情や抑揚から、雰囲気や気分が十分に伝わってくる。音楽に合わせた群舞とか、すごくカッコいいし。もうこの際、ずっと歌って踊ってくれてもいいかもしれない。なんだか言うことが変わってしまってる気もするが。

 四季のミュージカルは約30年前に「キャッツ」を見て以来だった。見逃してきたものがたくさんあるなぁ。(篠原知存)