ファッションではなく、大技で魅せる 2月15日

産経抄
男子ハーフパイプ決勝 2回目の演技で豪快なエアを決める平野歩夢の連続合成写真=平昌(共同)

 東京・銀座にある中央区立泰明小学校の制服をめぐる論議は、いまだ収まる気配はない。今春の新1年生から、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」デザインの制服を導入するという。

 ▼セーターなどを含めると、1人8万円以上かかる。確かに公立学校の制服としては、常識はずれの価格といえる。それにもまして、「服育は教育の一環」との、校長の主張には首をかしげる。健全な食生活を送るために必要な「食育」なら、すでに教育現場に定着している。

 ▼高級な料理を食べることで、身につくものではない。ブランド制服を身につけさせることで、子供たちにどんな教育効果が期待できるというのか。何より服装ばかりが注目される事態に、伝統を誇る小学校のOB・OGたちは忸怩(じくじ)たる思いであろう。

 ▼平昌冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプの決勝は、手に汗握る展開だった。ソチ五輪に続いて銀メダルを獲得した平野歩夢選手(19)は、絶対王者として君臨する米国のショーン・ホワイト選手(31)を、あと一歩のところまで追い詰めた。

 ▼スノーボードといえば、8年前のバンクーバー五輪での「腰パン」騒動が思い出される。メダル候補だった男子選手が、公式スーツのネクタイを緩め、ズボンをずり下げた格好で現地入りした。「服装の乱れ」かファッションか、と物議を醸したものだ。平野選手も、独特のヘアスタイルにこだわりをみせる。

 ▼しかし、昨年の大けがを乗り越えた平野選手が観客を魅了するのはあくまで、人間の演技とは思えない、ダイナミックなジャンプや回転技の数々である。スノーボードは、米国ではすでにメジャースポーツの仲間入りをしている。平野選手の活躍で、日本での人気も急上昇しているはずだ。