2月10日

産経抄
捜索活動が続く「雲門翠堤大楼」の前で話し合う日本と台湾の救助隊=9日、台湾・花蓮市(共同)

 「台湾加油(頑張れ)」。安倍晋三首相は8日、自身のフェイスブックに、毛筆でこう記す姿を投稿した。台湾東部の花蓮市で6日発生したマグニチュード6・4の地震を受けてのメッセージである。また、蔡英文総統宛てのお見舞いには「古くからの友人である台湾」としたため、全力支援を表明した。

 ▼これに対し、蔡氏も早速、8日のツイッターに日本語で「まさかの時の友は真の友」と書き込んだ。もちろん被災者にとってはそれどころではないだろうし、国家間に永続する友情はないというものの、日台の絆が強まっていることに心温まる。

 ▼東日本大震災の際の台湾の人々による支援を、日本人は忘れていない。地震発生時に台湾に滞在中だった俳優の阿部寛さんは8日、台北市で開かれた電気製品発表会で1千万円を寄付すると発表した。台湾各地から、たくさんの感謝の声が寄せられているという。

 ▼ところが、中国はこうした日台の親密さが気にくわないようである。蔡政権が中国の救援申し入れは断りながら、高性能の生命探査装置を持つ日本の警察庁や消防庁などの専門家チームは受け入れたことに、中国紙がかみついている。

 ▼「日本の皆様、今年は実のある素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り致します」。蔡氏が昨年1月、日本語でツイッターにこんな新年のあいさつを投稿した際も、中国からの批判のコメントが相次いだ。台湾が絡むと、中国の大国らしからぬ狭量さが目立つ。

 ▼もっとも隣国同士は常に何かしらの問題を抱え、おおむね仲が悪いものだと相場が決まっている。中国も安倍首相が訪問中の韓国もロシアも、日本にとって厄介な国ばかりである。せめて台湾との友情は、あたう限り大切にしたい。