周囲が白ける希望の党・玉木雄一郎代表「明治レジームからの脱却」という標語 1月27日

産経抄

 当人はうまいことを言ったつもりで悦に入っているが、周囲は白けているという場合がある。希望の党の玉木雄一郎代表が、このところ盛んに強調する「明治レジーム(体制)からの脱却」という標語は、その典型例ではないか。ぴんとこないし、特に意味がある言葉だとも思えない。

 ▼安倍晋三首相が、第1次政権時に掲げた「戦後レジームからの脱却」をもじって、明治維新150周年記念事業などを計画する安倍政権との対決姿勢を示そうとしたのだろう。それは分かるが、こじつけ感がある。

 ▼「『勝てば官軍』という思想は、勝った者が正義との考えであり、『明治レジーム』の考え方」「この150年は、人口増加を前提とした経済成長、中央集権を固定化してきた」。玉木氏は24日の代表質問でこう主張したが、明治以降の日本の歩みはそう否定的にみるべきものだろうか。

 ▼26日付小紙正論欄では、櫻田淳・東洋学園大教授が日本にとって過去150年の歳月は「成功物語」だと評していた。また、昨年12月29日付同欄でも、渡辺利夫・拓殖大学事顧問が明治維新についてこう位置づけていた。「近現代日本の生成発展の『基点』」。

 ▼安倍政権が少子高齢化を「国難」と見なすからといって、人口増加を前提にした経済成長を目指していることにはなるまい。進捗(しんちょく)具合の評価は分かれるにしろ、地方分権も進めている。まして、勝てば官軍などと言うはずもない。

 ▼いかに政権批判が野党の仕事とはいえ、ため息が出る。玉木氏が質問した翌25日の在京各紙で、「明治レジーム」を取り上げた記事がほとんど見当たらなかったのも当然である。国会で建設的で前向きな議論が聞きたいと願うのは、八百屋で魚を求めるようなものなのか。