路線バスでたどる旅 5日間、21路線をつないでの終着点は…

ん!?

 東海道を路線バスでたどる旅は、東京駅から断続的に乗り継いで前回、富士駅までたどり着いた。次は静岡駅まで…ともくろんでいたが、あと1つ乗ると路線がつながっていないという情報が。でも、地元で聞けば妙手があるかもしれないし、と年明け早々に出かけてきた。

 富士駅北口から富士急静岡バス「寺尾橋行き」に乗車。休日は1日3便というレア度。車窓からは富士山がドーン。視界も気分も良好だ。先のことを考えると心には暗雲…だけど。

 蒲原、由比と東海道五十三次の宿場町をたどる道を進むと、富士川を渡るあたりから景色が変わって、どんどん傾斜が増していく。海からすぐに山が切り立ったような地形になって、道路や鉄道が海沿いにぎゅっと束ねられるような感じに。

 旧東海道の由比宿と興津宿の間にある「薩●(=つちへんに垂)峠(さったとうげ)」だ。ここを越える路線バスはない。由比駅を少し過ぎたところが寺尾橋。駅に戻ってルートを検討しようと思っていたが、終点まで乗る客が珍しいらしく、運転手さんが「どこまで行くの?」と心配そうに声をかけてくれた。早速いろいろ質問。でもやっぱり、バスでは無理だという。

 「以前は興津の先の清水まで行ってたんだけど、いまはここまで。誰も乗らなくなったからね」。たしかに1日3便でも車内はガラガラ。仕方ないのだろう。このあたりは、江戸時代も通行が難しいことで有名だったらしいが、路線バスの旅でも難関なのだった。現代の難所は経済効率がつくりだす。

 東京駅から5日間かけて21路線をつないだバス旅も、残念ながらここまで。五十三次で由比宿は16番目。東京から約150キロ。半分も届かなかったが、よくここまで来られたとも思う。青空と富士山をバックに記念撮影。さぁ、帰ろ。(篠原知存)