論説副委員長・沢辺隆雄 教師の不祥事を隠蔽し、犯人隠避容疑で書類送検… 学校幹部よ、誇りある教師の育成を!

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 米国の公立高校が舞台というので、正月に借りて見た。レンタルビデオ店に並んでいた米国映画「フィスト ファイト」。拳で殴り合うという題名の通り、主人公の気弱な教師が、同僚の鬼教師から決闘を申し込まれるコメディーだが、校内の規律の乱れや学校の予算カットで解雇される教師など米国の厳しい教育環境が垣間見える。

 それに比べ日本の教育の質は高いと笑ってもいられない。

 文部科学省が昨年末まとめた調査では、わいせつ行為などで処分を受けた公立小中高校などの教職員は、平成28年度で226人と過去最多だった。

 かつて資質など問題のある先生は、M(エム)教師といわれた。近年はH(エッチ)教師というのでは嘆かわしい。教員全体から見れば数はわずかだが、教育の信頼を損ない、がんばっている教師の足を引っ張る。

 メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通し、生徒と安易に連絡を取り合い不祥事に発展するなどの例が目立つ。自覚がなさ過ぎだ。

 トイレにビデオカメラを設置して盗撮するなどの悪質な事案が多かったというが、犯罪である。身内の不祥事を隠そうとする体質や事なかれ主義も相変わらずだ。

 昨年、衆院選などの陰に隠れた形で、大きなニュースにならなかったが、埼玉県警が、同県内の市立中学の校長と教頭を犯人隠避などの容疑で書類送検した事件があった。

 校長らが、男性教諭が盗撮した女子生徒の着替え動画を消去させ、警察に届け出なかった疑いだ。問題を把握しながら、この教諭に学年主任や部活の指導などを継続させていたという。校長は「教諭が辞めたら学校がもたないと思った」、教頭は「校長に安易に同調してしまった」などという。隠蔽(いんぺい)も教職者を名乗る資格のない犯罪であろう。教委にその認識はあるか。

 米国の映画で鬼教師が「教えるのが俺の仕事だ」と叫ぶ場面がある。本来の仕事を堂々と誇れる教師を育てる環境をつくっていく。教育改革が進む年のはじめに望みたいことだ。