「男女格差」に向き合えるか 自民議員の比率は衆院で9対1、説得力は… 論説委員長・石井聡

風を読む
野田聖子総務相

 日本は144カ国のうち114位、と言われれば何とかならないかと思っても叱られまい。ダボス会議を主催する「世界経済フォーラム」が先月発表した「ジェンダーギャップ指数」(2017年版)である。

 男女格差の度合いを示すものだ。この手の指数に対しては「いったい、どういう基準で判断しているのか」などとすぐに頭に血が上る人も少なくない。

 だが「国会議員の男女比」「閣僚の男女比」などが軒並み後退した結果、全体では過去最低だった前年の111位からさらに順位を下げた。

 女性の政治参画に関するものが全体を押し下げている。この構図に、何とか手を打とうという動きがないわけではない。

 政治分野における「男女共同参画推進法案」は、臨時国会でも継続審議となっていた。だが、衆院解散であえなく廃案となった。選挙後の国会で、早期成立を図ろうという機運が高まったという話も聞かない。

 衆院選前、「小池新党」への期待が一時的に集まった。事と次第によっては女性宰相の誕生かとの予測もあったものの、小池百合子氏は急失速した。国政との距離は開いた印象がある。

 女性宰相の誕生がブレークスルーとなり、法律に頼らずとも女性議員が一時的に増える可能性はあるだろう。しかしブームが去れば元に戻る、では先進的な姿にはみえない。

 法律で強制的に女性比率を高めるか、政党の自律性に任せるかで、大きく異なる。あるべき姿は後者と考える。もっとも、自民党がその方向に動かなければ「順位」は上がらない。

 保守を自任する自民党は「家庭を守り子を育てる女性」に重い意味を置く傾向がある。大事な価値観の一つである。とはいえ、議員の男女比が衆院で9対1と大きく開いた状態で、どれだけ説得力を持つかである。

 旗を振っているのは、別に野田聖子総務相ばかりではない。「2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にする」と言い出したのが、ほかならぬ安倍晋三首相であることも思い出した方がよい。