「不自然」だと思っていたミュージカル、誤解していました

ん!?

 誰にってわけじゃないけど、ミュージカルについて聞いてみたいことがあった。普通にしゃべってた人が急に歌い出すでしょ、あれがなんか苦手だった。不自然だと思わないですか?

 たまたまミュージカル劇団を取材する機会があって、失礼とは思いつつ長年の疑問をぶつけてみた。20代後半の脚本家はおじさんの疑問を理解してくれたけど、「そこが気になる方、最近はかなり減ってきたと思いますよ」。そうなんですか!?

 劇団四季などがミュージカルをいくつもヒットさせてきた。さらに「アナと雪の女王」の大ヒット以来、ちょっとしたミュージカルブームの様相なのだという。「アナ雪の存在が大きかった。私が卒業した音大でも、ミュージカルを専攻する人が増えました」。劇中歌も、表現として自然に受け止められるようになってきたそうだ。

 そんな話に感心した直後、長男が通う小学校で各学年が演劇を披露する学芸会があった。見ていると登場人物がいきなり歌い出す演出が多用されている。ソロではなく合唱で。ミュージカル風にするという演出的な意図より、生徒にたくさん役割を与えたいという教育的な配慮からに違いないけど、なるほど悪くないのである。

 いきなりみんなが「♪ぼくらは小さな魔法使い…エロイムエッサッサ!」とか歌い出すのは自然な会話とは言い難い。そんなやつおらん。でも、それを言い出したら魔法使いだって、そんなやつおらん。そもそも舞台そのものが虚構なんだから、何をやったって自由なのだ。

 子供たちは、何週間も練習してきた役を意気揚々と演じて、楽しそうに歌っている。晴れ舞台で、踊りたい、歌いたいという気持ちを抑える方が不自然に思えてきた。ミュージカル、誤解してたなぁ。(篠原知存)