相撲界の体質もあるやろ まともな若者もおかしなる

宮嶋茂樹の直球&曲球
21日夜、福岡空港に到着した横綱・日馬富士(仲道裕司撮影)

 何や相撲界、どえらいことになっとるやん。せやけど、メディアもスポーツ・ジャーナリストと称する方々もカマトトぶって「きれいごと」と建前しか言えへんの?

 相撲は立派な格闘技やで。しかも短期戦では最強といわれとる。本場所の土俵上でのあのブチかましや突っ張り、張り手の衝撃音を生で見たり聞いたりした人は皆びっくりするハズや。あんなんくろうたらヘビー級のボクサーでもイチコロや。そんな「力がすべて」「番付最優先」の世界で、「強くなりたい」「横綱になる」ためにすさまじい稽古を続け“かわいがり”といわれるシゴキにも耐え、もう「超人」というレベルや。何で殴られたかしらんけど、その力士、その後も何事もなかったかのように土俵に上がっとったやないか。

 そりゃあ、陰湿なイジメや限度超えたシゴキはアカンで。ましてや、犯罪行為は許されん。せやけど、相撲に限らず世界ランカークラスのアスリートは、命の危険ギリギリの特訓もやっとんのや。それを強いるには、時には“愛情ある体罰”も必要やん。それまで認めんかったらスポ根アニメも再放送できんぞ。

 スポーツの世界だけちゃうで。世界中の警察・消防・軍隊という、わが身を顧みず、人の命を救う、時にはその命をやりとりをする任務につくには、常人の想像を絶する訓練に耐えねばならん。肉体的にも精神的にもギリギリまで追い詰められるんや。そんな訓練に耐えてこそ、人の命の安全に関わる仕事につく自信が得られるんや。それを、「体罰は絶対に許されん」式に全部いっしょくたにすな。

 まぁ、それでも日馬富士はやり過ぎた。酔っ払って殴ったんは体罰ともいえん。結局、横綱の器やなかったか。相撲界の体質もあるやろ。人としての常識、力士としての責任感なんかの教育がおろそかになっとったんは、かつての横綱朝青龍を見とったら明らかやんか。今までもトバクに暴力事件、八百長問題…もあったし、関取になったら、名誉に特権、与えられ、タニマチから大金を「ごっちゃん」や。まともな若者でもおかしなる。

【プロフィル】宮嶋茂樹

 みやじま・しげき カメラマン。1961年、兵庫県出身。日大芸術学部卒。写真週刊誌を経てフリーに。東京拘置所収監中の麻原彰晃死刑囚や、北朝鮮の金正日総書記をとらえたスクープ写真を連発。写真集に男女の若き海上自衛官を撮った「国防男子」「国防女子」。