(5)待機児童 産経・毎日・読売 保育士の待遇改善に強く求める

社説検証
噴水で遊ぶ子供たち。少子高齢社会をどう乗り越えるか

 少子化対策の目玉として安倍晋三政権が掲げてきたのが「待機児童ゼロ」である。当初、今年度末までの解消を目指していたが追いつかず、6月には新計画を公表せざるをえなくなった。子育て世帯の関心は大きく、各紙は何度も取り上げた。

 各紙の社説が最初に注目したのは、政府が新たな計画を公表するタイミングである。いずれも、政府の見通しの甘さや対策の不十分さを批判するトーンとなったが、注文の付け方には特徴もみられる。

 保育士の待遇改善を強く求めたのが産経、毎日、読売だ。産経は「補助金のあり方も、さらに検討を求められよう」と指摘した。読売は「一層の処遇改善が求められる」と論じた。毎日は、政府のこれまでの待遇改善措置に触れて「効果は限定的と言わざるを得ない」と批判した。

 朝日と日経はとりわけ財源確保の面から注文をつけた。朝日は「保育所を増やすには、何よりも安定的な財源の裏付けが欠かせない」とし、日経も「保育拡充を未来への投資と位置づけ、説得力ある財源を示すことが欠かせない」と述べた。産経と読売も財源確保のための議論を促した。

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 各紙が再び足並みをそろえて取り上げたのが、9月に3年連続で増えていた実態が明らかになった際である。各紙がそれぞれに解消に向けた具体策を論じる形となった。

 民間の取り組みを促したのは産経と日経だ。産経は「テレワークや在宅勤務といった自宅で子育てしながら働けるようにする取り組みも大事だ」と指摘した。日経も「少人数の子どもを預かる小規模保育や、企業が従業員や地域の子どもを預かる企業主導型保育は、比較的、機動的に整備できる」と述べた。

 育児休業を求めたのが朝日と毎日だ。朝日は「夫婦が協力して育休を取るよう促す仕掛けが不可欠だ」とし、毎日も「男女が協力してもっと育休を取れるようになれば、保育所の待機児童の改善につながる」と訴えた。

 読売は「園庭など基本的な設備が整った幼稚園の活用は、待機児童解消の決め手となり得る」とした。

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 《少子化対策》

 ★待機児童の新計画

 【産経】解消へ着実に課題解決を(6/3)

 【朝日】もう先送りできない(3/24)

 【毎日】不十分な対策が招いた(6/1)

 【読売】先送りの繰り返しは許されぬ(6/2)

 【日経】待ったなしの待機児童解消(3/14)

     保育拡充で仕事と子育ての両立支えよ(5/21)

 ★待機児童3年連続増加

 【産経】解消へ集中的に取り組め(9/5)

 【朝日】男性の育休も広げよう(9/9)

 【毎日】育児休業の拡充も必要だ(9/5)

 【読売】幼稚園の活用を解消の一助に(9/7)

 【日経】今度こそ待機児童解消を(9/8)