(2)拉致 産経「全員帰国の決意新た」 読売 トランプ氏の国連演説「意義は大きい」

社説検証
記者の囲み取材に応じる家族会の(左から)飯塚繁代表、横田早紀江さん、増元照明さん=2015年7月9日午後、東京都千代田区の内閣府(川口良介撮影)

 産経は北朝鮮による日本人拉致を先駆けて報じ、解決を訴え続けてきた。今年の主張でも機会を捉え取り上げている。

 昭和52年11月、当時13歳、中学1年生だった横田めぐみさんが拉致され、今年で40年になる。平成9年2月に産経は、めぐみさんの拉致事件を報じ、その翌月に家族会が結成された。

 家族会結成20年を迎えた3月25日付では「途方もなく長い年月の残酷さに対する怒りを、国民として共有したい」と記し、「被害者の全員帰国は、家族はもとより、国民すべての悲願である。その決意を新たにしたい」「国際社会を巻き込み、北朝鮮への圧力をこれまでになく高めていくときである」と訴えた。

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 トランプ米大統領は9月の国連総会の一般討論演説で北朝鮮の人権侵害を非難し、「日本人の13歳の少女が拉致された」と述べた。米国の大統領が国連の場で拉致問題の非人道性を訴えたのは初めてだ。

 これを受け産経は、トランプ演説に関連して拉致問題を独立して取り上げ「日本政府はこの機を逃さず、拉致問題に決着をつけるべく、全力を傾けてほしい。決着とは、被害者全員の解放、帰国である」と求めた。さらに「拉致問題への理解を高め、より一層の圧力強化で締め上げる以外に、北朝鮮を実のある交渉のテーブルにつかせる道はない」とし、改めて国際社会の強い結束を求めた。

 読売は「日本人拉致を含めた北朝鮮の暴挙を非難し、国際社会の結束を訴えた意義は大きい」とし、「日本人拉致は、北朝鮮による国家犯罪と人権侵害を象徴する。解決への機運を再び高めねばならない」と指摘した。

 毎日は「トランプ氏は、北朝鮮による『日本人の13歳の少女』(横田めぐみさん)の拉致や金氏の異母兄・金正男氏の暗殺にも触れて、北朝鮮を『ならず者政権』と呼んだ」と事実関係に簡単に触れた。

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 産経は昭和55年1月、「アベック3組ナゾの蒸発 外国情報機関が関与」の見出しで拉致問題を初めて報じた。このとき他社の後追い報道はなかった。

 北朝鮮の国家機関による犯罪である。何ら罪のない人々をさらい、自国へ連行し、被害者や家族を絶望のふちに追い込んだ。

 小泉純一郎首相(当時)の訪朝から15年にあたる9月17日付で産経は「被害者の家族らが懸念するのは、拉致問題が核・ミサイルの陰に埋没してしまうことだ」と指摘し、被害者全員の解放、帰国へ道筋をつけてほしいと改めて訴えた。

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 ★産経の今年の拉致問題関連の主張

 拉致問題     日米共闘で全員救出迫れ(2/17)

 拉致家族会20年  全面解決へ怒り忘れるな(3/25)

 拉致被害者の救出 阻んでいるのは「憲法」だ(4/14)

 拉致被害者の救出 最重要課題に他ならない(4/19)

 日朝合意3年   拉致解決へ戦略練り直せ(6/2)

 北拘束の学生死亡 米国と連携し圧力強化を(6/22)

 北朝鮮への圧力  拉致の解決に結びつけよ(7/6)

 閉会中審査    なぜ「北朝鮮」を論じない(7/10)

 北朝鮮の暴発阻止 この機に拉致解決を迫れ(8/18)

 小泉訪朝15年   長く残酷な日々に決着を(9/17)