初めての寝台特急…銀河鉄道という言葉をふと連想

ん!?

 寝台特急というものに初めて乗った。高松から東京へ向かうサンライズ瀬戸。夜のホームに止まってる列車を見ただけでわくわく。そろそろ寝ようか…という時間に旅に出る。なんてステキなんだ。もったいなくて、もう全然寝たくないところだ。

 予約したのはB寝台の1人用個室。寝台というと、椅子を畳んでベッドにして…みたいなことを聞いた覚えがあるけど、この列車は最初からベッド。部屋全体がベッド。つまり寝台=部屋なのだが、それほど狭く感じないのは窓が大きいから。ベッドに横になってブラインドを上げると、顔からヒザあたりまでがドーンと窓。部屋を暗くすると、車窓は巨大スクリーンのようになる。

 しずしずと出発した列車は、しばらくすると夜の瀬戸大橋にさしかかる。月光に照らされた静かな海がはるか下の方に広がっている。巨大な構造物に反響する走行音を聞きながら、浮かぶ船や遠くの沿岸の明かりを眺める。銀河鉄道という言葉をふと連想した。

 そんな絶景をゴロ寝しつつ楽しめるのだから眠りたくない。流れ過ぎる色とりどりの光源、見上げれば星空。ブラインドを全開にして満喫していたが、駅に止まるときが困りもの。こっちから見えるということは、ホームの人から自分も丸見え。

 別に裸になってるわけじゃないし、椅子に座っていたら窓越しに誰かと目があっても別に気にならないはずなのに、寝ているとなぜだか照れる。坂出、児島、岡山…停車するたびにブラインドを下ろし、発車したら開けて…とやっていたが、姫路あたりから記憶がない。ハッと気づいたら熱海だった。あぁ寝たくなかったのに。途中の駅でだらしなく爆睡中のおっさんを見かけたかもしれないみなさん、失礼しました。(篠原知存)