都構想は
大阪を輝かせるか

2020.1.31

大阪市を廃止して4つの独立した特別区に再編する「大阪都構想」の制度案はほぼ完成。府市議会の議決を経て、今秋~冬にも住民投票が行われる見通しだ。

五輪イヤーの年、東京一極集中がさらに加速する中で、大阪は一地方都市に埋没してしまうのか。それとも、都構想が輝きを取り戻すターニングポイントとなるのか。

沈みゆく大阪の憂鬱

東京と大阪の面積はいずれも2000平方㌔前後だが、人口は東京の約1386万人に対し、大阪は約882万人。GDPは東京(約104兆円)の4割に満たない約39兆円だ。

1927(昭和2)年の世界都市ランキングで、大阪はニューヨーク、ロンドン、ベルリン、シカゴ、パリに次ぐ6位にランクイン。東京より人口も多い大都市だった。だが、戦後は政治経済の東京一極集中が進み、企業も次々と東京に本社を移転。現在大阪に本店を置く企業も、軸足は東京に移している。

大阪市は解体、
4特別区に再編

大阪市は解体、
4特別区に再編

・大阪市を廃止し淀川区・北区・中央区・天王寺区の4特別区に再編

・移行日は令和7年1月1日

・広域自治体=大阪府、基礎自治体=特別区―という役割分担を徹底

特別区長は選挙で選ぶ

4特別区は公選区長と公選議員(区議)がいる独立した自治体として、独自の条例制定や予算編成が可能。保育所運営や福祉など、身近な住民サービスを担う。

スピードと戦略で競争に勝つ

インフラ整備や観光政策、災害対策などの広域行政は府が担う。これまでは大阪府と大阪市の首長と各部局間での協議・調整が必要で、意思決定に時間がかかったが、司令塔を一つにすることでスピーディーで戦略的な都市運営が可能になる。

実現には3つのハードル

①大阪府と大阪市の法定協議会(法定協)で制度案を可決

②府・市議会でそれぞれ可決

③大阪市民対象の住民投票で賛成多数で可決

平成27年5月に初めて実施された住民投票は投票率66.83%。賛成約69万票、反対約70万票という僅差で否決された。

日本の都市像の未来を描く

都構想のメリット、デメリットをめぐっては、さまざまな分析や主張がある。インバウンドに沸く大阪は一見、衰退に向かっているようには見えないが、人口減少・超高齢社会は東京・大阪・愛知の三大都市圏の中で、大阪が最初に迎えるとの予想もある。

かねて必要性が指摘される首都機能分散も遅々として進まない中、「副首都」を目指す大阪の統治機構改革は、日本全体の未来を描くのに大きな意義をもつ。史上初の都市再編は、令和の時代に実現するのだろうか。